2013年11月、献血で採血された血液を介してHIV感染が発生しました。献血によるHIV感染は2003年以来、10年ぶりのことです。

すでに全国版のニュースとして、テレビ、新聞、ネット上の多くのメディアで報じられており、あなたもご存知だと思います。

◇献血で集めた血液でHIV感染!

今年の11月に献血をした40代男性の血液からHIVが見つかりました。当然、この男性の血液は輸血用には使えません。

ところが、この男性は今年の2月にも献血をしており、そのときはHIV検査を陰性でパスしていました。血液センターでは保管してあった2月の血液を再度、高精度の検査で確認したところHIVが見つかりました。

では、2月に採血された血液はどうなったのか?日赤が追跡調査を行ったところ、すでに2名の患者に対して輸血されていました。

そのうちの一人、60代の男性はHIVに感染していることが分かりました。もう一人については現在確認中とのことです。(2013年11月28日現在)⇒その後の報道によるともう一人の輸血者は80代女性で感染していませんでした。

いったいなぜ2月の時点でHIV検査をすり抜けてしまったのか?その理由は当サイトで何度も登場しているウインドーピリオドによるものです。⇒『ウインドーピリオドとは?』

あなたがもしHIVに感染しているかも知れないと不安になって検査を受けるとします。その場合、あなたが受けるHIV検査にはいろんな種類があります。

HIV抗体検査、HIV抗原抗体検査、NAT検査など。そして、どの検査にもウインドーピリオドといって検査が正しくできない期間があります。

それは仮にあなたがHIVに感染しても、感染初期にはHIV抗体、抗原、遺伝子など検査で見つけようとする対象物がまだ十分な量生成されていないのです。

この40代の男性の血液も血液センターでNAT検査にかけられたのですが感染間もない時期であったためウイルスの量が少なくてパスしてしまったのです。

献血ではこうしたHIV検査のウインドーピリオドをカバーするため、献血前に問診を行い、HIV感染の可能性がある人には献血を遠慮してもらっています。

しかし、この男性はその問診に事実と異なる回答をしていました。問診では献血前6ヶ月の間に男性同士で性的接触を持った人は献血出来ません。

男性はこの問いに「いいえ」と回答したのですが、実際には献血2週間前に男性と性的接触を持っていたのです。

今回の事件をきっかけに、血液センターでは更に検査の精度を上げるための方法を検討したり、問診を厳しくするなどの検討が行われているようです。

同時にHIV感染に不安を持つ人が献血ではなく保健所を利用するよう、もっと保健所HIV検査の利便性を高めることも検討するそうです。

◇実際にはこれだけ見つかっている献血のHIV陽性

下のグラフをご覧ください。厚生労働省エイズ動向委員会が毎年発表している献血件数と、献血で見つかったHIV陽性件数の推移です。


図1.献血件数とHIV陽性件数

献血の全数HIV検査が始まったのは1986年からです。そしてウインドーピリオドが最も短く検査精度も高いNAT検査が導入されたのが1999年です。

その後2008年に検査設備を新しくすると同時に設置場所も増やし、北海道、東京、京都、福岡の4ヶ所でNAT検査が出来るようになりました。

また、NAT検査開始当時は一度にまとめて50人分の血液をNAT検査していました。ところが2003年にNAT検査をすり抜けてHIV感染が発生してしまいました。

そこで血液センターでは2004年から一度に行うNAT検査を50人分から20人分に減らして検査精度を高めたのです。それ以来、今年まで献血によるHIV感染は発生していませんでした。

では、そもそも献血におけるHIV陽性はどのくらい見つかっているのか?図1のグラフをご覧ください。2008年の107件をピークにここ数年は減少傾向にあります。これは問診を強化した成果だとも言われています。

それでも2013年は1月から9月までに55件のHIV陽性が見つかっています。献血件数は390万8307件で、10万件当たりのHIV陽性件数は1.41件です。

これは日本国内で新規HIV感染者が見つかる割合より2倍も高いそうです。やはりHIV感染の不安を持つ人が献血をHIV検査代わりに使っているからでしょうか。

◇献血はHIV検査代わりにならない!

今回のHIV感染を受けて日赤では、改めて次のようなコメントを出しています。

●献血におけるHIV検査の結果は、献血者に教えないのでHIV検査の代用にはならない。

●NAT検査と言えどもHIV感染間もない時期においては見逃す可能性がある。HIV感染が不安な人、問診票に該当する人は絶対に献血をしないで欲しい。

このようなコメントです。

当サイトでは過去に『HIV感染は献血で分かるか?』という記事を掲載しました。今回のHIV感染によってこの記事に書いた血液センターの対応も変わってくるかも知れません。

更に、今後問診票で事実と異なる回答をすると処罰の対象になるよう法整備を行うべきとの指摘も上がっています。実際、オーストラリアなどでは刑事罰があるそうです。

仮に刑事罰が法整備されなくても、今後はHIV陽性が判明した時点で検査代わりに使ったのではないかと疑われること必至です。場合によっては関係者から責められるかも知れません。

あなたは絶対にHIV検査代わりに献血を受けないで下さい。献血はHIV検査の代わりにはならないし、その上万一HIV陽性になれば非難の目に合うかも知れません。

全国の保健所では無料匿名でHIV検査が受けられます。また、どうしても保健所、病院に行けない人は自宅で使えるHIV検査キットもあります。

献血をHIV検査代わりに使うことなく、しかし早期のHIV検査が救命的検査であることもまた忘れないでください。

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