HIV感染が怖くてオーラルセックスが出来ません・・・
こんな20代女性の相談に対して、医師が
「フェラで感染することはほとんどありません」
と、答え、質問者は更に相談します。
「口内炎など、口にキズがあっても大丈夫でしょうか?」
ここで医師がまた回答します。(この場合、コンドームなしの相談です)
「仮に口内炎があっても感染の可能性は低いですね」
最後に相談者は、
「ありがとうございました」
とお礼を書き込んでいます。
これ、あなたはどう思いますか?私は2つの点ですごい違和感を覚えます。
まず、1点目です。
「フェラで感染することはほとんどありません」と回答された医師の、「ほとんど」とはどんな定義でしょう。ご自分が診察してきた範囲で感覚的に言っているのでしょうか。それとも定量的、統計的なバックデータがあって回答しているのでしょうか。
相談した20代女性は、もしかしたらこの医師の回答によって、今後はオーラルセックスには無警戒になるかも知れません。そして、どんなに感染確率は低くても常にHIV感染のリスクを背負うことになります。
どこまでHIV感染の予防をするか、それを決めるのは最後は相談者自身です。でも、いかにネット上とはいえ医師に大丈夫だと言われたら警戒感も薄れてしまうのではないでしょうか。
「ほとんど感染しない」ということは、「まれに感染する」と同意語です。そして、HIVはいったん感染すると不治の病です。
続いて違和感の2点目。
確かにHIV感染についてだけ言えば、感染確率は低いでしょう。しかし、性感染症はHIVだけではありません。オーラルセックスで感染する性感染症は沢山あります。
クラミジア、淋菌、性器ヘルペス、梅毒、どれもオーラルセックスで感染する可能性があります。特にクラミジアや淋菌はオーラルセックスによる咽頭感染が広まっています。HIVの感染力よりずっと強い感染力なのです。
そうした現状を考えると、単にHIV感染の可能性だけを回答するのはいかがなものでしょうか。相談されたことにだけ回答した、と言われたらそれまでですが、それでも医者ですか、と言いたいですね。
「フェラによるHIV感染の可能性は低いですが、全く可能性がない訳でもありません。また、HIV以外の性感染症は十分感染する可能性があります。従ってフェラと言えども十分なセーファーセックスの配慮をしてください」
こんな回答が本来医師として返すべき回答ではないかと思うのですが、いかがでしょう。むろん、その回答を見てどうするかを決めるのは相談者自身です。そこまで医師の責任とは言いませんが、患者が判断するための情報は正確に、的確に提供して欲しいと思います。
ちなみに、HIV感染の行為別感染確率はこちらで記事にしています。興味のあるあなたはどうぞご覧ください。
■自覚症状なし!あなたの不安を解消するのはHIV検査だけです。
■STDチェッカータイプJ(男女共用)
あなたの自宅でいつでもHIV検査が可能です。早期のHIV検査は救命的検査です。
■HIV・梅毒・B型肝炎!重複感染でより重症化することがあります。
■STDチェッカータイプO(男女共用)
HIV・梅毒・B型肝炎の3種類を同時検査。重複感染が多い感染症です。