PEP療法とは、曝露後予防(post exposure prophylaxis)の略語です。
あなたはご存知でしたか?
PEP療法は日本では医療従事者が針刺し事故などを起こした場合に実施されることが知られています。
しかし、医療従事者でない私やあなたでもPEP療法を受けることは可能なのです。
ただし、いくつかの条件があります。
今回はPEP療法について説明したいと思います。
【今回のテーマと目次】 ・ ●テーマ:日本におけるPEP療法とは? ・ 1.PEP療法とは何か? ・ 2.日本におけるPEP療法の実態 ・ 3.まとめ ・ |
1.PEP療法とは何か?
PEP療法とは、曝露後予防(post exposure prophylaxis)の略語です。
●post =後
●exposure=暴露
●prophylaxis=予防
という訳です。
暴露、と言うのは分かりやすく言えばHIVが体内に侵入することです。
つまり、曝露後予防とはHIVが体内に侵入した後にそのHIVが増殖することを防ぐものです。
お分かりでしょうか?
通常のHIV感染予防とは異なり、HIVの体内侵入を予防するのではなく、体内に侵入したHIVの増殖を防ぐものです。
医療従事者が現場でHIVに汚染された注射針で指を刺したとか、傷口がHIVに汚染された可能性のある血液に直接触れてしまったとか、そのような緊急対応に行われています。
しかし、冒頭でも述べた通り、医療従事者以外の私やあなたでも、ある一定の条件をクリアすればPEP療法を受けることが可能です。
あなたや私の体内にHVが侵入したとしても、時間を置かずに抗HIV薬を投入することでHIV増殖を防ぎ、結果としてHIV感染症を防ぐことが可能です。
ここがちょっと分かりにくいかも知れませんが、HIVが体内に侵入しただけではHIV感染症にはならないのです。
体内に入ったHVが次々に増殖し免疫細胞の破壊が進行した段階でHIV感染症となります。
PEP療法はそうなる前にHIVの増殖を止めてしまうものです。
では、
「HIV感染後ただちに」
とは具体的にどのくらいの時間を指すのでしょうか。
それは、ズバリ72時間以内です。
すなわち、HIVが侵入してから3日以内にPEP療法を開始することが推奨されています。
これはCDCのガイドラインだそうです。
72時間以内に抗HIV薬の投薬を開始して、これを28日間続けます。
ただし、PEP療法の成功率は100%完璧ではありません。
どのPEP療法説明を読んでもそう書いてあります。
そして、72時間以内が推奨されているのですが、早く開始すればするほど治療の成功する可能性は高くなります。
これは素人が考えても分かりますね。
まだHIVが増えないうちに叩いた方が感染防止できる可能性が高くなるのは当然です。
2.日本におけるPEP療法の実態
先ほど、PEP療法はHIVが体内に侵入した後、増殖することを防ぐ治療法だと説明しました。
しかし海外で行われているPEP療法の中には、全くの感染予防の目的で使われることもあります。
つまり、針刺し事故などではなく、ハイリスクな性行為を繰り返す人たちが、万一HIVに感染しても体内での増殖を防ぐ目的で行っているのです。
「HIVが侵入した可能性が高い」
からPEP療法を行うのではなく、
「HIVが侵入する可能性が高い」
から行う訳です。
全くの感染予防目的です。
しかし、現時点では日本国内でこのような性行為における予防目的でのPEP療法は認められていません。
では、日本ではどのような人が対象でPEP療法が可能なのでしょうか。
私やあなたがどんな時に可能なのでしょうか。
エイズ治療・研究開発センターのホームページによれば、PEP療法の対象者はこう書かれています。
『HIV感染者(あるいはその可能性がある人)とHIVに感染しうる性交渉(例:コンドームなしのSex)をもって72時間以内の方が主な対象となります。』
従って、あなたが性風俗で遊び回ったり、薬物注射の回し打ちをするから、用心のためにPEP療法を受けておこうなんて思ってもそれは出来ません。
あくまであなたにHIVが侵入したかも知れない危険性が明確になっている場合にのみPEP療法は可能なのです。
例えば、あなたが性行為を行った相手が、実はHIVに感染していたことが行為のすぐ後で分かったような場合です。
それもコンドームなしの性行為を行った場合ですね。
なお、同センターのホームページにはこう続きがあります。
『性行為の相手がHIV陰性者であると分かっている場合、あるいはご自身がすでにHIVに感染している場合は、PEPの対象にはなりません。』
これは当然ですね。
またリスク行為から72時間以上経過している場合もPEP療法は実施出来ません。
それ以上経過しているとPEP療法の効果が及ばないってことなのでしょうね。
次にPEP療法は非常に高額です。
原則的に自由診療扱いで健康保険が適用されません。全額自己負担です。
薬代は1日分が約1万円で、28日間続けますから28万円かかります。
これに診察料や検査料が加算されます。
治療費の例はこちらを参考にして下さい。
自由診療なので費用はそれぞれの病院、医療機関によって異なります。
また、抗HIV薬を使用しますから副作用の可能性もあります。
例えば吐き気、嘔吐、腎機能障害などが副作用として指摘されています。
3.まとめ
今回はPEP療法について説明しました。
HIVの体内侵入を防ぐ予防ではなく、侵入したHIVが増殖するのを防ぐための予防法です。
抗HIV薬を72時間以内に服用開始、28日間継続します。
針刺し事故などの医療従事者の他、あなたや私でも治療を受けることは可能ですが、ただし本文で説明したような条件があります。
そしてむろん、街中の一般病院では治療出来ません。
ごく一部の限られた専門病院のみでの対応になります。
実際、日本国内のどの病院でPEP療法が可能なのか、詳しくは私も知りません。
まずは全国に存在する「HIV/エイズ診療拠点病院」へ相談してみて下さい。
何らかの情報は入手できると思うのですが。
最後に念のために書いておきます。
本文の中でも説明しておきましたが、PEP療法を性行為によるHIV感染予防の目的で行うことは出来ません。
あくまでもHIVが体内に侵入した可能性が高いと認められる場合のみ可能です。
PEP療法の効果も100%絶対ではありませんが、可能な限り早期に、遅くても72時間以内に開始すればHIV感染を防ぐ可能性があります。
こんなPEP療法のお世話にならないことが一番ですが、いざと言う時のためにこの情報を知っておくと役立つかも知れません。
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