HIVの二重感染の恐怖とは? 信じられない怖いお話です!
これは全く仮のお話ですが、もしHIVに感染した男女のカップルがいたとして、この場合にはすでに2人ともHIVに感染しているので、今さらコンドームなど、セーファーセックスの配慮は必要ないと思っていいでしょうか?
あなたはどう思いますか?
◇一口にHIVと言っても・・・・?
実は、一口にHIVと言っても、感染した人の体内にいるHIVはどれも全く同じとは言えないのです。
HIVはもともと容易に変異を繰り返すウイルスで、そのために発見から30年も経過しているにも関わらずワクチンがありません。
いくらワクチンを開発しても、HIVが次々と姿を変えるので効果がないのです。
しかも、HIVの増殖を抑える抗HV薬に対してもすぐに耐性を持ってしまいます。すなわち、薬が効かなくなるのです。
そのために、HAART(多剤併用法)と言って、複数の薬を何種類か同時に投与する治療法が取られています。1種類だけの投薬だと、すぐに効果がなくなるのです。
どの薬を組み合わせて使うかは、患者ごとに症状を見ながら医師が処方することになります。従って、インフルエンザにタミフル、みたいな画一的な投薬ではありません。
10人のHIV感染者がいれば、10種類の投薬方法があり、それぞれ耐性の異なるHIVが存在する可能性もある訳です。
◇恐ろしいHIVの二重感染とは?
では、すでにHIVに感染している人が、別のHIV感染者からもHIVをうつされたら、いったいどうなるのでしょうか。
今、ここに1組のカップルがいて、実は男女ともにHIV感染者だと仮定します。
仮に女性の体内にいるHIVをHIV(A)とします。一方男性の体内にいるHIVはHIV(B)だとします。そして、女性に投与されている薬が薬(A)、男性に投与されているのを薬(B)とします。
そして、このカップルでは女性から男性へHIVの二重感染が発生したとします。すると、どんなことが起きるでしょうか。下の図1を見て下さい。
図1.HIVの二重感染
先ほどの繰り返しになりますが、HIVは容易に変異を繰り返すウイルスで、しかも投与された薬に対しても耐性を持ちやすいウイルスです。
従って、女性の体内にいるHIV(A)と男性の体内にいるHIV(B)では全く同じウイルスではありません。処方される薬も異なるのです。
そして、今女性のHIV(A)が男性の体内に侵入したとすると、今まで男性の体内にはHIV(B)しかいなかったのが、(A)、(B)2種類のHIVが存在することになります。
するとこの2種類はやがてHIV(AB)と言う新しいHIVへと変異を遂げるのです。そして、この男性に今まで効果的だった薬(B)はHIV(AB)には効果がないのです。
しかも、(A)、(B)それぞれのHIVが薬に対して持っている耐性は、(AB)にも耐性が引き継がれ、治療を行う上で使用出来る薬の選択肢が狭くなってしまいます。
従って、すでにHIVに感染している人にとっても、新たにHIVに感染すること、すなわち二重感染は絶対に避けるべきことなのです。
私が今ここで説明した内容は、以下のサイトでも読むことが出来ます。
●「独立行政法人・国立病院機構・大阪医療センター・HIV/AIDS先端医療開発セン ター」
以上、HIVとHIVの二重感染についての説明でした。
■この記事のポイント
○HIVに感染している人が、新たに別のHIV感染者からHIVをうつされると、体内には今までとは異なるHIVが生れ、薬の効果がなくなる可能性がある。
○従って、HIV感染者同士のカップルにおいても、コンドームなどのセーファーセックスは大事である。
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あなたの自宅でいつでもHIV検査が可能です。早期のHIV検査は救命的検査です。
■HIV・梅毒・B型肝炎!重複感染でより重症化することがあります。
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HIV・梅毒・B型肝炎の3種類を同時検査。重複感染が多い感染症です。