病院で何かの手術を受けるとき、HIV検査はどんな扱いなのでしょうか?どんな手術でも必ずHIV検査をするのか? 費用は?事前説明は? 検査結果の告知は?
これらの疑問にお答えします。
◇2年前にこんな問題がありました
少し前になりますが、横浜の大きな病院で院内感染防止の目的ですべての入院患者に対して、患者負担でHIV検査を行い、問題となりました。
何が問題であったかというと、
●患者に対しては事前承諾を得ていたが半ば強制的であった。
●院内感染防止が目的であればHIV検査費用は病院側が負担すべき。
この2点です。
結局、病院側は非を認め、HIV検査を行ったのべ5,000人の患者すべてに検査費用の返還を行いました。ちなみに一人当たりの検査費用は1,300円とっていたそうです。
この病院は病床数が300もあるような大きな病院だったこと、対象患者が5,000人にものぼることなどで大きなニュースになりましたが、他の病院でもやっていました。(この報道の後に運用を改めた病院もけっこう多かったようです。)
実際のところ、病院で何かの手術を受けるとき、HIV検査に関するこんな疑問がわきます。
●どんな手術でもHIV検査を行うのか?
●費用負担は?
●事前の説明はある?
●検査結果の告知は?
こうした疑問は多くのネット上の教えてサイトで見かけます。
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◇手術前のHIV検査実施は?
手術前にHIV検査を行うか、行わないか、それは病院によって異なります。すべての病院が100%完全実施しているわけではありません。法律で決まっているわけでもありません。
例えば、神奈川県でアンケート調査を行った結果が公表されてます。それよると、県内の2/3の病院では手術前にHIV検査を行っています。
HIV検査を行っている病院の多くは検査費用を病院負担で行っていましたが、中には全額患者負担という病院もありました。
このように、多くの病院では院内感染防止のために手術前のHIV検査を病院側の費用負担で行っています。
ただし、病院側にも不満はあるようです。同じ院内感染防止目的でも、ウイルス性肝炎や梅毒などは健康保険が適用されるのに、HIV検査は適用外なのです。
HIV感染の方が院内感染の可能性が低いことが理由だそうですが、確かに納得し辛いですね。
もうひとつ関連データをご紹介しておきます。
実際に、こうした手術前のHIV検査でいったいどのくらい陽性者が見つかっているのか?直接のデータではないのですが、あなたの参考にして頂けると思います。
データは、2000年4月から2005年3月までの5年間に、国立国際医療センター戸山病院エイズ治療・研究開発センターを受診した日本人HIV感染者のうち、654人を調査した結果をまとめたものです。
下の図1をご覧下さい。
図1.HIV検査を受けたきっかけ
このグラフを見ると、HIV感染者が検査を受けたきっかけは4つあります。手術前の検査というのは「スクリーニング検査」に当たります。
この数字から見ると手術前にHIV検査を行うこともそれなりに意義のあることだとわかります。
何しろHIV感染症は自覚症状がありませんから、何かのきっかけがないと検査を受けることはありません。
◇厚生労働省の指導では
平成5年(1993年)5月、厚生労働省から全国の医療機関に対して次のような指導がなされています。
1.HIV検査は、治療目的、院内感染防止目的、いずれであっても患者本人に事前の検査同意をとること。本人の同意なしにHIV検査を行わないこと。
2.HIV検査の結果については、患者のプライバシーが守られるよう配慮すること。(本人の同意なしに第三者へ告知しない)
3.HIV検査前、検査後のカウンセリングを行うこと。
こうした内容が文書で通達されています。
また、院内感染防止のHIV検査については病院が費用負担するのが望ましいとの見解を出しています。
◇しかし、実態はどうかというと・・・
ネットの相談サイトに寄せられる患者の不安、疑問というのは、次のようなものです。
●自分がHIV検査をされたのかどうかがわからない。
他の感染症検査と一括でHIVも検査されたかも知れないが本人にはわからない。事前の明確な説明がない。
●検査結果を何も教えてくれない。
検査が結果が陰性だったのか、陽性だったのか、何も教えてくれない。もしも陽性だったらと思うと心配になる。
この2つが最も多い相談内容です。
これは明らかに病衣側の患者への説明不足であり、先にご紹介した厚生労働省からの指導にも反しています。
一番よくあるパターンは、手術前に一括検査を行う場合です。同意書にサインはしますが具体的にどんな検査をするのか細かい内容までは確認しません。病院にお任せなのです。
場合によっては口頭だけの承諾だったりします。
本来、そうした一括検査の中にHIV検査が含まれていれば、キチンと説明すべきです。
そして当然ですが、HIV検査の結果は陰性、陽性にかかわらず患者本人へ伝えられるべきです。このとき、プライバシー保護が重要なのは言うまでもありません。
ただ、病院によっては、HIV検査が陽性だった場合、手術が終わるまでは告知しないケースもあるようです。本人が検査結果に動揺して、手術に悪影響を及ぼすのを防ぐためです。
この病院側の配慮は理解できます。HIV陽性の告知は十分なカウンセリングと共に行わないと、今でもHIV感染が致死的疾患で、死んでしまうと思っている人が多くいるからです。
それにしてもタイミングを見て、患者が不安にならないようにして欲しいものです。何となくほったらかし、無視されているように感じる患者も多くいます。
中には検査結果が陰性なら、本人へは通知しないとする病院まであるそうです。(先の神奈川県アンケート結果による)
これはちょっとひどいと私は思いますが、いかがなものでしょう。
自分自身の危機管理という観点でいえば、問題を知ることはむろん大事ですが、問題ないということを知るのもまた同じくらい重要です。
問題ないから知らせない、というのは全く危機管理の発想が欠如していると思います。
さて、最後に結論です。
残念ながら、HIV検査に関しては、病院ごとに対応が異なります。中には厚生労働省の指導に反する運用の病院もあります。
もしもあなたが何かの手術で入院することになったら、しっかりあなたから病院側へ確認して下さい。HIV検査の結果が陰性だったら通知しない方針の病院でも、あなたが直接きけば教えてくれます。
また、あなたの検査結果が陽性だったのに何も教えないということはあり得ません。早期治療によってエイズの発症を抑えることが出来るのですから、当然あなたに告知します。
でも、何も連絡がないから陰性だったのだろうと推測して納得するのもどうかと思います。やはりあなたから病院側へ直接確認するのがベストではないでしょうか。
早期のHIV検査はエイズ発症を防ぎ、救命的検査となります。
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