HIV・エイズの症状>検査を考慮すべき臨床状況
HIV感染の初期症状である急性HIV感染症や、エイズ指標疾患が疑われるとき、当然ながら診察した医師はまずはHIV検査を考えます。
では、医師がHIV感染を疑う症状とは、どんな臨床状況なのでしょうか。
「独立行政法人 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター」 のホームページに、医療関係者向けの情報が発信されています。
むろん私たちは患者の立場ですが、医師がどんな症状にHIV感染の可能性を見出しているのか、参考にしたいと思います。
◇一般内科・救急領域
病名・臨床状況 | 備 考 |
インフルエンザ様症状 | 感染初期にインフルエンザに似た症状が出ることがある。 |
伝染性単結核 | 免疫力低下によって発症しやすいため? |
原因不明の長期に渡る発熱 | 急性HIV感染症の代表的症状。 |
原因不明のリンパ節腫大 | 急性HIV感染症の代表的症状。 |
原因不明の脳炎・骨髄炎 | サイトメガロウイルス感染症の日和見感染による? |
血球減少 | HIV感染初期に見られる症状のひとつ。 |
表1.一般内科・救急領域
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◇消化器領域
病名・臨床状況 | 備 考 |
ウイルス性肝炎(A・B・C型) | 特にB型はHIVとの重複感染が多い。 |
赤痢アメーバ症 | HIVとの重複感染が多い。 |
抗菌薬に反応しない虫垂炎 | アメーバ症の可能性あり。 |
腸管感染症 | 細菌性赤痢・ジアルジア症など男性間性行為感染の可能性あり。 |
肛門周囲膿症 | HIV感染者にも見られる感染症の1つ。 |
肛門部尖圭コンジローマ | HIV感染と重複感染の見られる性感染症。 |
口腔・食道カンジダ症 | HIV感染による日和見感染症の1つ。 |
カポジ肉腫 | エイズ指標疾患の1つ。 |
悪性リンパ腫 | HIV感染に伴うリンパ腫の可能性。 |
消化管サイトメガロウイルス感染症 | HIV感染に伴う日和見感染症の1つ。 |
表2.消火器領域
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◇皮膚科領域
病名・臨床状況 | 備 考 |
帯状疱疹 | HIV感染の免疫低下によって発症することあり。 |
繰り返すヘルペス感染症 | HIV感染の免疫低下によって発症することあり。 |
難治性の皮膚真菌症 | HIV感染の免疫低下によって発症することあり。 |
難治性湿疹 | HIV感染の免疫低下によって発症することあり。 |
好酸球性毛嚢炎 | HIV感染の免疫低下によって発症することあり。 |
カポジ肉腫 | エイズ指標疾患の1つ。 |
梅毒 | HIVと重複感染の多い性感染症。 |
尖圭コンジローマ | HIVと重複感染の多い性感染症。 |
表3.皮膚科領域
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◇泌尿器科・婦人科領域
病名・臨床状況 | 備 考 |
尿道炎 | 性感染症による発症の可能性あり。 |
性器ヘルペス | HIV感染の可能性が高まる。 |
尖圭コンジローマ | HIVとの重複感染あり。 |
その他の性感染症 | HIV感染の可能性が高まったり、重複感染の可能性あり。 |
表4.泌尿器科・婦人科領域
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◇生活歴・既往歴・社会背景
病名・臨床状況 | 備 考 |
性感染症の既往 | HIV感染の可能性が高まったり、重複感染の可能性あり。 |
ウイルス性肝炎の既往 | HIVとの重複感染あり。 |
日和見感染症の既往 | HIV感染による免疫力低下の可能性あり。 |
男性と性的接触のある男性 | 男性の同性間性的接触はHIVの最大感染ルート。 |
性産業の従事者 | HIV感染のハイリスクグループの1つ。 |
既知のHIV感染者との性的接触 | 感染の可能性だけを言えば、当然あり。 |
麻薬・覚せい剤など薬物濫用の既往 | HIV感染のハイリスクグループの1つ。 |
HIV有病率の高い国の出身者 | 西アフリカ出身者の場合はHIV-2も考慮する。 |
妊娠女性 | 妊婦健診にHIV検査は必須。事前に分かれば感染防止も。 |
表5.生活歴・既往歴・社会背景
注)HIV感染のハイリスクグループの定義は、国によって異なります。国連エイズ合同計画(UN AIDS)の調査結果によれば、
●注射器による薬物使用者
●MSM(男性と性行為を行なう男性)
●セックスワーカー(売春男性も含む)
●受刑者
●移住労働者
といった人たちがハイリスクグループに入ります。日本ではMSMのHIV感染率が非常に高くなっています。
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◇必ずしもあなたにHIV検査を勧めるとは限らない
「国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター」のホームページは、医療関係者に対してここに上げた疾患や症状を診察したら、HIV感染の可能性を疑って欲しいと要求しているのだと思います。
HIV拠点病院クラスなら当然そこまで配慮して診察してくれるでしょうが、普通に町中にあるかかりつけの病院などでは見過ごされることもあるでしょう。
事実、私自身、帯状疱疹、全身発疹をはじめ、原因不明の発熱や下痢などで病院に行きましたがHIV検査を勧められたことは皆無でした。
それが診察をした上でHIV検査不要との判断ならいいのですが、必ずしもそうではないと思われます。始めからHIV感染の可能性などあまり頭にない医者もいると思うのです。
例えば地方の小さな病院ではHIV感染者を診たこともない医師が沢山いると思います。そうした医師がHIV感染の可能性を必ずチェックしているでしょうか。
また、実際にHIV感染の可能性があるような行為に心当たりがあるかどうか、これは患者本人にしか分かりません。あなた自身にHIV感染の心当たりがあるなら、医師からの勧めがなくてもHIV検査をあなたの意思で受けることをお勧めいたします。
早期のHIV検査は感染していた場合エイズ発症ヲ防ぎ、あなたにとって救命的検査となります。
HIV・エイズの症状>検査を考慮すべき臨床状況
■自覚症状なし!あなたの不安を解消するのはHIV検査だけです。
■STDチェッカータイプJ(男女共用)
あなたの自宅でいつでもHIV検査が可能です。早期のHIV検査は救命的検査です。
■HIV・梅毒・B型肝炎!重複感染でより重症化することがあります。
■STDチェッカータイプO(男女共用)
HIV・梅毒・B型肝炎の3種類を同時検査。重複感染が多い感染症です。