HIV・エイズの症状>HIV感染症と活動性結核
活動性結核は23種類あるエイズ指標疾患の1つです。HIV感染症と活動性結核の関係について説明したいと思います。
あなたも結核という病名は聞いたことがあると思います。しかし、いったいどんな病気なのか詳しくご存知でしょうか?また、HIV感染と結核の関連はどうなっているのでしょうか。
◇活動性結核とは?
実は私の母が78歳のときに結核を患いました。今からもう10年ほど前のことです。確か4ヶ月ほど入院したと思います。幸い、完治して退院でき、その後も再発することなく今年89歳を迎えています。
母のような年代で抵抗力が落ちていると結核になりやすいのです。
厚生労働省の平成24年度発表のデータによると、日本国内では新規の結核患者は年間に2万人以上いて、2000人以上が亡くなっています。結核は昭和25年までは日本人の死亡原因第1位の怖い病気であり、現在もなお要注意の病気です。
結核は結核菌が体内に感染し増殖することによって発症します。発症する場所は約80%が肺です。いわゆる肺結核です。ただ、HIVに感染して免疫が低下した場合には肺以外でも発症することが珍しくありません。
結核の初期の症状はカゼと似ています。せき、痰(たん)、発熱(微熱)などの症状が長く続くのが特徴です。また、体重が減る、食欲がない、寝汗をかく、などの症状もあります。
結核は適切な治療をせずに放置していると血を吐いて呼吸困難になり、死に至ることもあります。
感染ルートですが、結核菌は患者のせきやくしゃみなどの飛沫感染によってうつります。しかし、結核菌に感染した人の全て結核を発病する訳ではありません。
BCGワクチンを接種した人が結核菌に感染した場合、5%~10%が発病すると言われているそうです。つまり多くの人は感染しても発病しないのです。
これは体内の免疫機能が働いて結核菌が体内で増殖しないように抑え込むからです。そう、この免疫機能が抑え込む、という働きがHIVに感染してしまうと弱まってしまうのです。
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◇エイズ指標疾患としての結核
今書いた通り、結核は健康で免疫力が働く人は発病しにくく、免疫力が低下している人は発病しやすいのです。これは日和見感染症そのものです。
それゆえHIV感染者であって、かつ活動性結核の場合はエイズ患者であると認定されます。活動性結核とは、単に結核に感染しているだけでなく治療を要する状態に発病している結核を指します。
「HIV感染症診療マネジメント」によれば、通常結核菌に感染しても発症するのは生涯で10%程度だそうです。それが、HIV感染者においては1年間で10%発症するそうです。これはHIVに感染していない健康な人と比較すると100倍も感染しやすいのだそうです。
先ほども書いたように結核は通常肺に発症する肺結核が8割を占めます。しかし、HIVに感染して免疫力が低下した場合の結核は肺だけでなく、リンパ節結核、栗粒(ぞくりゅう)結核、結核性髄膜炎などを発病することが多くなります。(HIV感染症診療マネジメント・医薬ジャーナル社による)
また、HIV感染によって免疫力が低下し、CD4が低下してくると結核に感染してもツベルクリン反応やQFT検査では陰性になりやすくなります。つまり検査で発見しにくくなるのです。(QFT検査は結核の感染を判定する血液検査)・
◇あなたに用心して欲しいこと
あなたが健康で普通に暮らしている時に、特別結核感染を心配する必要はそれほどないかも知れません。しかし、あなたが万一HIVに感染していた場合、あなたが気づかぬうちに免疫力は低下していきます。健康なときには問題にならなかった結核菌が増殖しているかも知れないのです。
もしもあなたが2週間以上、咳や痰(たん)、微熱が続くようなら専門医に診てもらってください。しかし、その場合でもあなたを診てくれた医師がHIV感染の可能性まで考慮してくれるかどうかは分かりません。
あなたご自身にHIV感染の可能性について心当たりがあるなら、医師の指示がなくてもHIV検査を受けることをお勧め致します。結核が早期発見が大事なのは言うまでもありませんが、HIV感染もまた早期の検査が救命的検査となります。
以上、今回は23種類あるエイズ指標疾患の中から活動性結核を取り上げ、その症状やHIVとの関連について説明しました。この記事があなたのHIV検査にお役立て頂ければ幸いです。
HIV・エイズの症状>HIV感染症と活動性結核
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