HIV・エイズの症状>トキソプラズマ脳炎とは?

トキソプラズマ脳炎はエイズ指標疾患23種のひとつです。いったいどんな病気でしょうか。

たぶん、あなたもトキソプラズマ脳炎なんて、あまり聞きなれない病名だと思います。しかし、トキソプラズマ原虫に感染している人は非常に多くいます。あなたも感染しているかも知れません。

ただ、あなたが感染しても健康な状態であれば免疫力が勝ってトキソプラズマ脳炎を発症することはありません。HIV感染によって免疫力が低下することによって発症するのです。

◇人類の1/3は感染している?

トキソプラズマ原虫は猫の糞便などに存在し、ほぼ全ての温血せきつい動物に感染します。大きさは幅が3ミクロン、長さが5~7ミクロン程度です。(1ミクロンは1mmの1000分の1です)

どうもピンと来ないくらい小さいです。ちなみに人間の髪の毛の直径が平均で100ミクロンだそうです。いかにトキソプラズマ原虫が小さいかお分かり頂けると思います。

そしてこのトキソプラズマ原虫は、人間などの動物に感染すると細胞内に入り込み、細胞内で増殖していきます。細胞の外で増殖することはありません。(気持ち悪い、怖い、というべきでしょうか)

更に興味深いのは、トキソプラズマ原虫の最終宿主はネコ科の動物であり、人間やその他の動物は中間宿主の位置づけなのだそうです。

つまり、間に色んな動物を経て、最後にはネコ科の動物に感染するのがトキソプラズマ原虫の目的なのです。何とも面白いですね。(やっぱり不気味で怖いですけど)

国立感染症研究所のホームページによれば、トキソプラズマ原虫の感染は世界的にみれば全人口の1/3が感染しているそうです。何十億という人が感染しているのです。

ただし、冒頭にも書いたように、ほとんどの人は感染しても免疫力によって発症しません。トキソプラズマ脳炎は日和見感染症なのです。

◇トキソプラズマ脳炎の症状と治療

では、HIV感染などの免疫低下で発症するトキソプラズマ脳炎とは、いったいどんな症状なのでしょうか。『HIV感染症 診療マネジメント』(医薬ジャーナル社)によれば以下の通りです。

●頭痛

●意識障害

●けいれん

●片麻痺(半身不随)

などです。発熱を伴うことも多く、まれに肺炎、心筋炎、脈絡網膜炎などを起こすこともあるそうです。脈絡網膜炎とは、目の脈絡膜と網膜に炎症を起こす症状であり、視界不良となります。

こうした症状が、トキソプラズマ原虫に感染して数日から数週間の後に急速に発症してきます。

トキソプラズマ脳炎の治療としては、ピリメタミンやスルファジアジンという薬が使われます。しかし、なぜかこれらの薬は日本ではまだ未承認なのだそうです。そのため、エイズ治療薬研究班から入手することになるそうです。

エイズ治療薬研究班とは、厚生労働省内にあるエイズ治療を研究している組織です。⇒『エイズ治療薬研究班』

60%から80%の患者は治療開始から1週間以内に症状の改善が見られるそうです。そして少なくとも上記治療薬の投与を6週間は続けます。

その後は経過を観察しながら維持治療(二次予防)を継続します。

◇エイズ指標疾患としてのトキソプラズマ脳炎

厚生労働省エイズ動向委員会の報告によれば、エイズ指標疾患としてトキソプラズマ脳炎が報告された件数は以下の通りです。

●平成24年(2012年) 11件

●平成23年(2011年) 8件

●平成22年(2010年) 4件

このように決して発症件数として件数が多い訳ではありません。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

『エイズ指標疾患(平成24年状況)』

以上、今回はエイズ指標疾患の1つ、トキソプラズマ脳炎について説明しました。正常な健康状態なら何でもないトキソプラズマ原虫ですが、HIV感染によって免疫力が低下すると発症し、危険な状態になります。

もしもあなたにHIV感染の心当たり、不安があるなら早めに保健所などでHIV検査を受けてください。あなたにとって早期のHIV検査は救命的検査となります。

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