2014年(平成26年)に新規エイズ患者は455件報告されています。ではその455件はどんなエイズ指標疾患を発症していたのでしょうか。
厚生労働省エイズ動向委員会の公開データから調べてみました。
◇エイズ指標疾患とは?
あなたもご存じのように、HIVに感染した人が23種類のエイズ指標疾患のうちどれか1つでも発症するとエイズ患者と認定されます。その23種類とは次のような疾患です。
◆真菌症(カビなど)
1.カンジダ症(食道、気管、気管支、肺など)
2.クリプトコッカス症(肺以外)
3.コクシジオイデス症
4.ヒストプラズマ症
5.ニューモシスチス肺炎
◆原虫症
6.トキソプラズマ脳症(生後1ヶ月以後)
7.クリプトスポリジウム症(1ヶ月以上続く下痢を伴ったもの)
8.イソスポラ症(1ヶ月以上続く下痢を伴ったもの)
◆細菌感染症
9.化膿性細菌感染症
10.サルモネラ血症(再発を繰り返すもので、チフス菌によるものを除く)
11.活動性結核
12.非結核性抗酸菌症
◆ウィルス感染症
13.サイトメガロウィルス感染症
14.単純ヘルペスウィルス感染症
15.進行性多巣性白質脳症
◆腫瘍
16.カポジ肉腫
17.原発性脳リンパ腫
18.非ホジキンリンパ腫
19.浸潤性子宮頸癌
◆その他
20.反復性肺炎
21.リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成
22.HIV脳症(認知症、または亜急性脳炎)
23.HIV消耗性症候群(全身衰弱、またはスリム病)
以上、23疾患がエイズ指標疾患です。どれも普通に健康な人は感染、発症しない日和見感染症です。HIVによって免疫力が低下することによって感染、発症します。
◇2014年(平成26年)のエイズ指標疾患は?
では、厚生労働省エイズ動向委員会の公開データを私が調べた結果をお伝え致しましょう。下の表を見て下さい。
2014年にエイズを発症した455件についてどんなエイズ指標疾患を発症したのか、件数の多い順に表にしました。同時に、1985年から2014年までの累計も付けてあります。
指標疾患 | 2014年 | 累計 |
ニューモシスティス肺炎 | 261 | 3,947 |
カンジダ症 | 148 | 2,098 |
サイトメガロウィルス感染症 | 77 | 1,030 |
HIV消耗性症候群 | 32 | 785 |
HIV脳症 | 24 | 306 |
カポジ肉腫 | 20 | 310 |
活動性結核 | 14 | 537 |
進行性多巣性白質脳症 | 12 | 99 |
クリプトコックス症 | 9 | 212 |
単純ヘルペスウィルス感染症 | 8 | 182 |
非結核性抗酸菌症 | 8 | 104 |
トキソプラズマ脳症 | 8 | 188 |
非ホジキンリンパ腫 | 7 | 225 |
原発性脳リンパ腫 | 6 | 69 |
化膿性細菌感染症 | 5 | 98 |
反復性肺炎 | 5 | 143 |
クリプトスポリジウム症 | 2 | 26 |
サルモネラ菌血症 | 2 | 27 |
リンパ性間質性肺炎 | 1 | 38 |
ヒストプラスマ症 | 1 | 6 |
コクシジオイデス症 | 0 | 1 |
イソスポラ症 | 0 | 6 |
浸潤性子宮頸癌 | 0 | 3 |
合計(報告数) | 455 | 10,440 |
2014年の発症数の合計数が650件で、エイズ患者の合計件数455件より多いのは重複感染した患者がいるためだと思われます。
上の表をもっと直観的に分かるよう、グラフ化してみました。それがグラフ1とグラフ2です。
グラフ1.2014年エイズ指標疾患分布
グラフ1をご覧頂いてお分かりのように、上位3疾患で全体の74.8%を占めています。この3疾患はむろんHIVに感染しなくても発症することがありますが、要注意には間違いないですね。
次に1985年から2014年までの累計データです。
グラフ2.1985年~2014年累計
累計も同じように上位3疾患で全体の67.8%を占めています。
このように、
●ニューモシスティス肺炎
●カンジダ症
●サイトメガロウィルス感染症
この3疾患は特に要注意です。なお、ここで言うカンジダ症は食道、気管、気管支、肺に発症するカンジダ症です。性器カンジダ症や口腔カンジダ症は含みません。
今ご紹介したエイズ指標疾患の例ですが、むろん早期にHIV感染が分かっていればエイズ発症を防ぐことが出来た可能性大です。早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査となります。
■自覚症状なし!あなたの不安を解消するのはHIV検査だけです。
■STDチェッカータイプJ(男女共用)
あなたの自宅でいつでもHIV検査が可能です。早期のHIV検査は救命的検査です。
■HIV・梅毒・B型肝炎!重複感染でより重症化することがあります。
■STDチェッカータイプO(男女共用)
HIV・梅毒・B型肝炎の3種類を同時検査。重複感染が多い感染症です。