HIV・エイズの症状>エイズ指標疾患分布(2013年)
エイズ指標疾患が2013年にどんな分布であったのか、エイズ動向委員会のデータからご紹介します。
2014年8月26日に厚生労働省エイズ動向委員会から、「2013年(平成25年)エイズ発生動向年報」が発表になりました。そのデータからエイズ指標疾患の発生状況をご紹介したいと思います。
あなたのHIV感染予防にお役立てください。
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◇エイズ指標疾患とは何か?
平成25年の状況をご紹介する前に、エイズ指標疾患とは何かをおさらいしておきます。当サイトでは『エイズ指標疾患とは?』という記事を書いています。ここに詳しく書いているのですが、HIV感染者が免疫不全によって発症する代表的な日和見感染症を指し、日本では合計23疾患が決められています。
すなわち、HIV感染者がエイズ指標疾患と決められた感染症のどれか1つでも発症すると、その時点でエイズ患者となります。逆に言えばHIVに感染してもエイズ指標疾患を発症するまではエイズ患者ではありません。
また、HIVに感染していない人がエイズ指標疾患を発症してもエイズ患者ではありません。(当たり前ですけど念のため)
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◇平成25年エイズ指標疾患発症状況
それでは平成25年に発症報告のあったエイズ指標疾患をご紹介したいと思います。参考までに平成24年と平成23年の状況と合わせてご紹介します。
疾患名 | 平成25年 | 平成24年 | 平成23年 |
ニューモシスティス肺炎 | 282 | 245 | 284 |
カンジダ症 | 153 | 109 | 131 |
サイトメガロウイルス感染症 | 76 | 73 | 76 |
HIV消耗性症候群 | 39 | 29 | 36 |
活動性結核 | 18 | 26 | 26 |
カポジ肉腫 | 16 | 23 | 19 |
HIV脳症 | 16 | 22 | 14 |
非ホジキンリンパ腫 | 21 | 20 | 18 |
クリプトコックス症 | 13 | 17 | 11 |
トキソプラズマ脳症 | 5 | 11 | 8 |
単純ヘルペスウイルス感染症 | 8 | 8 | 14 |
非結核性抗酸菌症 | 5 | 8 | 7 |
反復性肺炎 | 9 | 7 | 6 |
原発性脳リンパ腫 | 5 | 7 | 2 |
進行性多発性白質脳症 | 10 | 6 | 4 |
化膿性細菌感染症 | 3 | 3 | 3 |
リンパ性間質性肺炎 | 2 | 1 | 2 |
イソスポラ症 | 0 | 1 | 0 |
ヒストプラズマ症 | 0 | 0 | 1 |
クリプトスポリジウム症 | 4 | 0 | 0 |
コクシジオイデス症 | 0 | 0 | 0 |
サルモネラ菌血症 | 1 | 0 | 0 |
浸潤性子宮頸癌 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 686 | 616 | 662 |
表1.エイズ指標疾患分布
表1をご覧頂いてお分かりのように、平成24年に報告された指標疾患の合計は686件でした。新規のエイズ患者件数が484件ですから、エイズ指標疾患の重複発症があったものと思われます。
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◇2013年エイズ指標疾患分布グラフ
表1をもう少し分かりやすく、グラフにしてみました。グラフ1をご覧ください。
グラフ1.エイズ指標疾患(2013年)
グラフにしてみるとよく分かりますが、ニューモシスティス肺炎、カンジダ症、サイトメガロウィルス感染症3疾患で全体の74.5%、ほぼ3/4を占めています。
こうした感染症を発症した場合にはHIV検査を必ず受けることをお勧め致します。むろん、HIV感染以外の理由で免疫力が低下して発症するケースもあります。むしろ原因がHIV感染だった、というケースはごく稀でしょう。
それでも万一の事があれば、早期検査、早期発見はあなたにとって救命的検査となります。
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ついでに、1985年から2013年までの累計データもグラフでご紹介しておきます。それがグラフ2です。
グラフ2.エイズ指標疾患累計
1985年からの累計データと、2013年のデータを比較してみると、発症頻度の高い上位4疾患は共通ですし、それ以降もほぼ同じような傾向にあります。
繰り返しになりますが、これらの日和見感染症は健康な人の場合めったなことでは発症しません。ウイルスが感染しても免疫力が働いて排除するらかです。
従って、もしもあなたがこれらの日和見感染症を発症した場合、HIVは無論ですが、その他の原因で免疫力が低下しているのかも知れません。すぐに専門医に診察してもらって下さい。
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