もしもあなたがHIVに感染していることが分かったら、あなたを治療する病院ではこんな検査をします。
『独立行政法人国立国際医療研究センター病院』から「貴女らしく明日を生きるために」という女性のHIV感染者向けの支援ガイドブックが公開されています。執筆されたのはACC患者支援調整職の大金美和氏です。
このガイドブックの読者対象は女性なのですが、男性のあなたが読んでもとても参考になると思います。
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・・◇HIVに感染したと分かったら受ける検査
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あなたもご存知のようにHIVに感染すると免疫力が低下して色んな病気にかかりやすくなります。その病気の中には感染初期に発見して治療しないと重症化したり、治療が長期化するものがあります。
そのためガイドブックでは以下のような検査を推奨しています。
●血液検査
●子宮頸がん検診
●性感染症検査
●眼底検査
●歯科検診
では、それぞれを詳しく説明しましょう。
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・・◇血液検査
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●B型肝炎,C型肝炎,梅毒,赤痢アメーバ,トキソプラズマ,サイトメガロウイルス,などの検査
●HIVと共通の感染ルートを持っている病気や、抗HIV治療を開始するにあたって感染の有無を調べておくべき病気の検査です。特にウイルス性肝炎はHIVの治療に使う薬の選択に影響するので検査は必須です。
●これらの検査は抗HIV治療の初期に行います。その後は必要に応じて再検査します。
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・・◇子宮頸がん検診
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●子宮頸がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)の検査
●子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)です。HIVに感染した女性はHPVにも感染しやすいことが分かっているそうです。そのため、HPVに感染していないか、子宮頸がんになっていないか検査します。
●抗HIV治療の初期に検診を行い、後は半年から1年に1回の定期検診を行います。
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・・◇性感染症検査
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●性器ヘルペス,クラミジア,トリコモナス腟炎,腟外陰部カンジダ症,尖圭コンジローマなどの検査
●言わずと知れたHIVと共通感染ルート、すなわち性行為で感染する病気です。自覚症状のない病気や繰り返し再発する病気もあるので初期に検査を行います。
●本人に自覚症状があれば当然ですが、パートナーの感染が分かったときにも検査を受けます。
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・・◇眼底検査(眼科)
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●サイトメガロウイルス網膜炎の検査
●サイトメガロウイルス(CMV)は、健康なときには何も悪さをしないウイルスなのですが、免疫力が低下すると急速に暴れ出して肺炎の原因になったりします。ガイドブックによると成人の90%がCMVに感染しているそうです。こんなに多く感染しているとは知りませんでした。
●当然ですが抗HIV治療の初期に検査します。早期に発見しないと肺炎などが重症化します。
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・・◇歯科検診
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●虫歯や歯周病の検査です。
●HIV感染と歯の治療、いったい何の関係があるのだろうと思いました。ガイドブックによれば、抗HIV治療に使用する薬と、歯の治療に使う薬は併用に注意が必要なものがあるそうです。具体的にどんな薬なのかはガイドブックにもで出来ませんが、本当に意外です。
●年に1回から2回の定期検査となります。
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以上がガイドブックに推奨されている検査です。子宮頸がん検診以外は女性でも男性でも同じように推奨されるものですね。しかし、私は眼科と歯科検診が必要だとは知りませんでした。
そしてサイトメガロウイルス(CMV)が成人の90%に感染していること、歯の治療に使う薬に注意が必要なことを初めて知りました。
ここにあげた検査はHIV感染者だけが受ける検査ではありません。もしもあなたが抗HIV治療を受けていなくても、これらの検査で異常が見つかったときにはぜひHIV検査を受けて下さい。感染ルートが同じ病気であればHIV感染も可能性があるからです。
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