エイズと言えばどうしても若い人が要注意と思いがちですが、必ずしもそうとは言えません。いや、高齢者こそエイズに要注意なのです!
8月9日に厚生労働省エイズ動向委員会から「平成24年エイズ動向」の正式版が発表になりました。
このデータの中には平成24年におけるエイズの動向指標が公開されています。その概要は後ほどまとめてご紹介するとして、私が注目したのは高齢者における「いきなりエイズ」の割合です。
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・・◇高齢者ほど「いきなりエイズ」の割合が高い!
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まずは下のグラフをご覧頂きましょうか。エイズ動向委員会のデータを元に私が作成したグラフです。平成24年における新規HIV感染者と新規エイズ患者を年齢別の分布で示しています。
グラフ1.平成24年新規HIV感染者・エイズ患者
いかがでしょうか?このグラフを見てあなたはどう思いますか?
「HIV感染者もエイズ患者も、20代から40代までが多い」
そう思われましたか?確かにそうです。真っ先に目に入る情報としてはそうでしょうね。
しかし、グラフの高齢者の部分をじっと見てください。何かお気づきではありませんか?
そうです。青色と赤色の比率に注目して見てください。44歳までは青色が赤色よりもずっと多いのに、45歳から54歳までは半々くらいになっています。
そして55歳以上になると青色よりも赤色の方が多くなっています。高齢者になるほどその傾向が強くなります。そして青色は新規HIV感染者です。赤色は新規エイズ患者です。
すなわち、このグラフから言えることは、
「高齢者になるほど新規HIV感染者よりも新規エイズ患者の方が多くなる。」
ということです。
これは言い方を変えると、
「高齢者ほどHIV感染者として報告された人の中でいきなりエイズを発症した人の割合が多い。」
ということです。自分がHIVに感染していることに気が付かず、エイズを発症して初めて気づいた人の割合が多い、ということです。
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・・◇高齢者ほどHIV検査を受けない?
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では、なぜ高齢者になるほどいきなりエイズの割合が多くなるのでしょうか?私なりに考えてみると、理由は2つあると思います。
理由1.エイズの潜伏期間は数年から10年くらいと非常に長いため、エイズ発症年齢はHIV感染年齢よりも高齢化する。
理由2.高齢者ほどHIV検査を受けない。
この2つの理由があると思います。そしてグラフから見ると理由の2の方が大きいと思われます。確かに私の友人たちはほとんどが50代ですが、HIV検査に行った経験者は皆無です。
なぜでしょう?
●検査する必要がないと思っている。自分は大丈夫だと根拠のない自信がある。
●保健所や病院でHIV検査を受けるのは世間体が悪い。
この2つが主な理由ではないでしょうか。特に女性の場合は世間体が気になると思います。
かくして高齢者ほどいきなりエイズの比率が高くなっているのです。
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・・◇HIV・エイズに年齢は関係ない
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HIV感染、エイズ発症に年齢は関係ありません。何歳であろうが感染するときは感染します。歳を取ると感染しにくくなる、なんてことはありません。
それなのにHIV検査を受ける高齢者は少ない。ここが問題です。高齢者は若い世代に比べてHIVやエイズに関する情報量が少なく、また危機感も薄いと言えるかも知れません。
もしもあなたがHIV検査について全く関心がないとしたら。それこそが最大のリスクと言えます。例え何歳であっても、早期のHIV検査は救命的検査に違いありません。
(このページは記事が長くなったので、平成24年のエイズ動向は別の記事として書きたいと思います。)
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