エイズの基礎知識から感染、検査、治療まで、あなたの疑問にお答えします!
◇HIV・エイズに関する基本的な質問
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質問1:HIVはどこで生まれて、どこで人間に感染したのか?
回答:HIVには、HIV-1とHIV-2の2種類があります。
まず、HIV-1ですが、カメルーンでチンパンジーから人に感染したと言われています。
HIV-2については、スーティーマンガベイと言う、西アフリカに 住むサルから人に感染したと言われています。
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質問2:HIVとエイズの違いは何か?
回答:いい例えではないかも知れませんが、私なりに考えた説明としては・・・
●HIV⇒原因(ウイルスの名前)
●エイズ⇒結果(症候群:病気の集まりの名前)
つまり、HIVと言う名前のウイルスがあなたに感染することによって、あなたは免疫不全を起こし、抵抗力が無くなって色々な病気を発症すると、その状態をエイズと呼ぶのです。
従って、HIVが原因で、エイズが結果です。
しかし、HIVに感染してもただちにエイズ患者ではありません。免疫不全になって、エイズ指標疾患を発症するまではあくまでもHIV感染者であって、エイズ患者ではありません。
また、HIVとエイズの間違った使い方としては、
●エイズに感染する⇒感染するのはHIVです。
●エイズ検査をする⇒検査するのはHIVです。
何となく意味は分かるので大した問題ではないかも知れませんが、厳密には間違いです。
HIVとエイズ(AIDS)は頭文字なのでフルスペルをご紹介しておきます。
●HIV⇒Human Immunodeficiency Virus
ヒト免疫不全ウイルス(ヒトめんえきふぜんウイルス)
●AIDS⇒Acquired Immune Deficiency Syndrome
後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)
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質問3:HIV-1とHIV-2はどうちがうのか?
回答:そもそもの由来が異なります。
●HIV-1⇒カメルーンでチンパンジーから人に感染した。1983年に発見された。
●HIV-2⇒スーティーマンガベイと言う、西アフリカに住むサルから人に感染した。1986年に発見された。
こちらのサイトに、スーティーマンガベイの写真がありました。よかったら見て下さい。
⇒「ニンバ山に生息するスーティーマンガベイ」
HIV-1とHIV-2を比較すると、HIV-2の方が感染力が弱く、進行速度も遅いと言われています。
また、HIV-1に対してはHAART(多剤併用法)と言う治療法が確立しているのに対して、HIV-2は治療法がまだ確立していないそうです。
HIV-1が世界中に広まっているのに対して、HIV-2は西アフリカを中心に広まっています。
日本国内では、2006年に初めてHIV-2の感染例が報告されており、その後も2007年に2例、2008年にも2例が見つかっています。
しかし、それ以外は全てHIV-1の感染となっています。
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◇HIV感染に関する質問
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質問4:HIVは、感染者とキスしたり、体を触れたりしただけでも感染するか?
回答:HIV感染者とキスをしたり、抱き合ったりしただけでは感染しません。
唾液の中にもHIVは含まれますが、感染するほどの量はありません。また、抱き合うことでHIVが体内に侵入することもありません。
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質問5:感染した人の尿や、便にはHIVは入っていないのか?
回答:目で見て分かるほどの血尿、血便でなければ感染源にはなりません。
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質問6:HIVは涙でも感染するか。例えば、感染者の使用していた眼鏡などに涙が付着して、そこから感染することがあるか?
回答:涙に含まれる程度のHIVの量では感染しません。
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質問7:犬や猫などのペットから感染の心配はないか?
回答:人間に感染するHIVは人間にしか存在しません。従って犬、猫などのペットから人間にHIVが感染することはありません。
ネコエイズ(FIV=feline immunodeficiency virus )は人間にはうつりません。
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質問8:蚊がHIV感染の媒体になることはないか?
回答:蚊によってHIVがうつされることはありません。
もしも、蚊によってHIVが他の人に感染するとしたら、次の3つの条件を満たす必要があります。
●HIV感染者から、他の人に感染させるだけの血液を蚊が吸う必要がある。
実際には感染させるだけの血液を吸うことは出来ません。
●蚊の体内でもHIVが活性状態を保つ必要がある。
HIVは蚊の体内では活性状態を保つことが出来ません。蚊で感染するマラリア、日本脳炎などは蚊の体内でウイルスが増殖します。
●蚊がHIV感染者の血液を、違う誰かに注入する必要がある。
蚊が刺したときに唾液を注入しますが、血液は注入しません。
以上、3つとも条件を満たすことが出来ないため、蚊からHIVが感染することはあり得ません。蚊以外のダニやノミなどからもHIVは感染しません。
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質問9:コンドームを使用すれば絶対に感染しませんか?
回答:100%絶対確実とは言えないかも知れませんが、かなりの確率でHIV感染を防ぐことが出来ます。
ただし、
●コンドームは正しい使い方をすること
●膣挿入だけでなく、アナルセックス、オーラルセックスなどにもコンドームを使用すること
の2点が大事です。
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質問10:コンドームなしでセックスをして、2週間後から微熱が続いている。感染したのか?
回答:HIVに感染しているかも知れないし、感染していないかも知れません。
急性HIV感染症では風邪に似た症状が出ることがありますが、ただの風邪との区別はHIV検査を受けてみるしか方法はありません。
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質問11:コンドームなしでセックスをして、2週間後に帯状疱疹が出た。感染の疑いが強いか?
回答:HIVに感染しているかどうか、HIV検査を受けてみないと絶対に分かりません。
確かに、HIV感染の免疫力低下によって帯状疱疹が出る例は多く見られます。しかし、単に疲れやストレスなどによって抵抗力が落ちて帯状疱疹を発症する例も多く、帯状疱疹を発症したから即、HIV感染とは決めつけられません。
しかし、HIV検査を受けるきっかけとしてとらえるのは大正解です。
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質問12:風俗でオーラルセックスをした。HIV感染がとても心配だが、感染の可能性はあるか?
回答:HIV感染の可能性はあります。
私が保健所でHIV検査を受けたときにもらった予防マニュアルにもハッキリとオーラルセックスによってHIVは感染すると書かれています。
また、公的なエイズ研究サイトでもオーラルセックスによるHIV感染はあると明記されています。
例えばこちら⇒『中四国エイズセンター HIV検査について』または、『HIV検査相談マップ』など。
どちらのサイトにもオーラルセックスのHIV感染確率が記載されています。他の性行為に比較すると非常にHIVの感染確率は低く、0.01%程度です。しかし、可能性がゼロでない以上、あなたが感染する可能性はあります。
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質問13:性行為のときに、精液や膣分泌液を飲み込んだ場合、HIVに感染する可能性はあるか?例えば胃に潰瘍がある場合には、より感染の可能性が高いか?
回答:飲み込んだ精液や膣分泌液が、口の中、のどなどに傷や炎症があって、そこに接触すれば、感染の可能性があります。
ただし、胃の中に入ってまでHIVが活性状態でいられると言う記事にはお目にかかったことがありません。
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質問14:ヘルスで素股行為をした。HIV感染の可能性はあるか?
回答:HIV感染の可能性はあります。
素股行為とは、膣挿入をせずに、男性の性器を女性の股にはさんで圧迫、摩擦する行為です。いわゆる本番行為のない性風俗などで行われています。
この行為を行うことによって、女性からは膣分泌液が出てくるし、男 性もカウパー腺液(先走り液)や射精までいけば精液が出ます。
当然、感染者の膣分泌液やカウパー腺液、精液にはHIVが含まれており、あなたの粘膜部と接触すればHIV感染の可能性があります。
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質問15:HIV検査で採血のときに使う注射器から感染する心配はないか?
回答:心配無用です。
HIV検査に限りませんが、医療現場においては感染症防止のため、注射器、注射針は使い捨てタイプがほとんどです。かつてのようなガラス製の消毒殺菌して再利用するタイプは使われなくなりました。
ただし、薬物常用者などが麻薬などを回し打ちするのに、同じ注射器、注射針を使って感染している例は世界中に見られます。
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質問16:HIV感染者、エイズ患者、ともに男性が圧倒的に多いが、それは何故か?
回答:確かに、HIV感染者に男性が多いのは事実です。
2010年を例にとると、新規のHIV感染者の約95%は男性でした。
では、なぜ男性のHIV感染者が多いのでしょうか。それは、男性の同性間性的接触において、アナルセックスが多いためとされています。
アナルセックスではコンドームを使わないケースが多いこと、しかも小さな傷や出血が起きやすいことがHIV感染のリスクを高めています。
それから、性行為感染ではありませんが、かつて血友病患者が非加熱製剤の使用によって大勢HIVに感染しました。
この血友病は99%が男性患者と言われています。その ため、HIV感染者もまた、ほとんどが男性でした。
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◇HIV検査に関する質問
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質問17:HIV感染は献血で分かるか?
回答:HIV感染は献血では分かりません。
献血をHIV検査代わりに使われることを避けるため、検査結果が陽性であっても献血者には通知しないことになっています。
HIV感染が不安なときは、必ず保健所や病院で検査を受けて下さい。
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質問18:HIV感染は職場や学校の健康診断で分かるか?
回答:職場や学校の健康診断で行う血液検査には、HIV検査は含まれていません。
一般的な健康診断では、肝機能やコレステロール、中性脂肪などの検査のみです。
また、HIV検査は本人の了解なしに無断で検査することは禁じられています。過去に、企業内で本人に無断でHIV検査を行い、職場の配置替えを行ったとして問題になったことがありました。
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質問19:病院で手術を受けるとHIV感染の検査をするのか?
回答:身近にいる手術経験者に尋ねてみましたが、どうもはっきりしませんでした。
一般に、病院で手術を行う場合には、手術前後でHIVを含む感染症の検査を行うことが多いようです。
手術前の検査は、医療側の安全対策と、患者の今後の看護に大きな影響があるからです。手術後に検査を行うのは輸血に伴う感染がなかったか、確認するためです。
病院でのHIV検査も、本人の同意が必要であり、無断で検査することは禁じられています。
しかし、病院によっては本人に無断で検査を行ったり、半ば強制的に患者負担で全員のHIV検査を行ったりして問題になったケースがあります。
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◇エイズ治療に関する質問
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質問20:エイズは治療不可能なのか。HIVは駆除出来ないのか?
現在の医学では、一度HIVに感染すると完全に駆除することは出来ません。完治させることは出来ないのです。
抗HIV薬でHIVの増殖を防ぎ、免疫力が落ちないようにする治療が行われています。この治療によって、エイズ発症前であればエイズの発症を防ぐことが可能になりました。
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質問21:薬を飲むとエイズ発症を遅らせることが出来るそうだが、永久に抑え続けられるのか?
回答:現在の抗HIV療法である、HAART(多剤併用法)が始まったのは1997年頃からです。
つまり、まだ15年しか経っていません。薬の効果の持続性、長期の副作用については、今後の研究課題ではないでしょうか。
ただ、現在の治療法によって、25歳でHIVに感染した場合の平均寿命は65歳だと予想する記事を見たことがあります。
*「HIV感染者の早期発見と社会復帰のポイント」(医薬ジャーナル社)による
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