もしもあなたがアメーバ症やA型肝炎に感染したら、ぜひHIV検査も受けて下さい。
同様に、あなたのパートナーがアメーバ症やA型肝炎になったら、ぜひHIV検査を受けるよう勧めて下さい。それには理由があるのです。
今回はHIV感染症とアメーバ症、A型肝炎の関連をお伝えしたいと思います。今回の記事はこの本を参考にさせて頂きました。
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◇HIVの最大感染ルートは?
まず、今回のお話しの前にあなたに知っておいて頂きたいデータがあります。それはHIVの感染ルートについてです。どの感染ルートが最も多いのか、それを知っておいて欲しいと思います。
ここで平成26年(2014年)のデータを見て頂きましょう。厚生労働省エイズ動向委員会から発表になった数値を私がグラフ化したものです。
●平成26年 新規HIV感染者の感染ルート
図1.新規HIV感染者の感染ルート
平成26年における新規HIV感染者の最大感染ルートは同性間、それも男性同士の性的接触によるものでした。実に全体の72%を超えています。
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●平成26年 新規エイズ患者の感染ルート
図2.新規エイズ患者の感染ルート
平成26年の新規エイズ患者においても最大感染ルートは同性間の性的接触、それも全て男性同士によるものでした。全体の56%を超えています。
こうしてみると、新規HIV感染者も新規エイズ患者も男性間の性的接触が最大感染ルートであることがよく分かります。実はこのデータは当サイトでも色んな記事の中で繰り返し述べてきました。
例えば以前、「行為別感染確率」と言う記事を載せました。厚生労働省のエイズ関連サイトに掲載されている行為別のHIV感染確率を取り上げたものです。そして性行為の中ではアナルセックスが最も感染確率が高くなっています。
そして、その理由についてもアナルセックスによる感染リスクが高いためであると説明させて頂きました。アナルセックスは避妊の心配がないのでコンドームを使わないことが多く、なおかつ小さな傷や出血が起きやすい為、そこからHIVが感染しやすくなるのです。
ここまでを事前知識として知っておいて頂いて、次は本題のアメーバ症とA型肝炎のお話です。
◇アメーバ症とA型肝炎
実はアメーバ症とA型肝炎もアナルセックスよって感染しやすい病気なのです。従ってこの2つの病気に感染していると言うことは、他の感染症もまた可能性があり、その1つがHIVなのです。
冒頭にご紹介した本の中では、アメーバ症とA型肝炎に感染した場合は必ずHIV検査を受けるよう注意しています。むろん、どちらの病気も性行為以外の感染ルートもあるので、必ずしもアナルセックスから感染したと断定は出来ません。あくまで可能性の話です。
あなたご自身にアナルセックスの経験があるなら、感染予防が不十分だったわけで、HIVにも感染している可能性があります。
あなたご自身にはアナルセックスの経験がなくても、あなたのパートナーは大丈夫でしょうか。もしかしたら、あなた以外とアナルセックスの経験があったかも知れません。その場合、HIVにも感染している可能性があります。
従ってどちらの場合であってもHIV検査を受けることが望ましい訳です。
ちなみに、アメーバ症とA型肝炎の症状を書いておきます。
●アメーバ症
赤痢アメーバという寄生虫が大腸や肝臓、その他の臓器に感染することで発症します。
・けいれん性の腹痛
・断続的な下痢や便秘(両方が起きることもあり)
・発熱
・血便
このような症状が出ます。しかし、感染初期には全く症状が出ない場合もあるそうです。
●A型肝炎
A型肝炎ウイルスが感染することによって発症します。
・発熱
・全身の倦怠感
・吐き気、嘔吐
・黄疸
などの症状が出ます。
赤痢アメーバもA型肝炎ウイルスも便の中に含まれて体外に排出されます。それが他の人の口から感染することが多いのですが、アナルセックスでも感染する訳です。
◇梅毒、B型肝炎にもご用心
今回はアメーバ症とA型肝炎についてご注意と言う記事になりましたが、過去にはすでに梅毒とB型肝炎にご用心と言う記事を載せています。
この記事の中ではこんなグラフもご紹介しています。
グラフ、データの詳細は同記事をご覧ください。
性感染症は文字通り性行為によって感染します。性行為の中でも特にアナルセックスによって感染しやすい病気が、HIV、梅毒、B型肝炎、アメーバ症、A型肝炎なのです。
どれか1つでも感染していると分かったら、他の性感染症も検査を受けてみるようお勧め致します。出来ればHIV、梅毒、B型肝炎、この3つは最初から同時に検査を受けて頂くとなおいいと思います。
なぜならグラフからもお分かりの通り、重複感染が非常に多いからです。
今回は今まであまりスポットを当てることのなかったアメーバ症、A型肝炎について説明しました。どちらもアナルセックスによる感染があり、HIVとの重複感染もみられます。どちらかに感染していることが分かったら、ぜひHIV検査も受けてみて下さい。
万一の場合、あなたにとって早期のHIV検査は救命的検査となります。
早期のHIV検査はエイズ発症を防ぎ、救命的検査となります。
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