いきなりエイズの最新情報として、平成25年のデータからご紹介します。

厚生労働省エイズ動向委員会が平成26年5月23日付で発表したデータからグラフ化して分かりやすくお届け致します。

あなたのHIV感染予防、HIV検査にお役立てください。

◇平成25年の「いきなりエイズ」

まずは今更ですが、「いきなりエイズ」の言葉の定義を説明しておきます。HIVに感染した人が自分の感染に気付かず、エイズを発症して初めて気づくことを、「いきなりエイズ」と言います。医学的な専門用語ではありません。

まず、平成25年におけるHIV感染者の速報値は、以下の通りです。

●新規HIV感染者報告件数 1,106件(過去2位)

●新規エイズ患者報告件数   484件(過去最多)

新規エイズ患者も当然HIVに感染しているので、HIV感染者の合計は1,546件(過去最多)となっています。

この新規エイズ患者の件数が、「いきなりエイズ」の件数となります。新規エイズ患者とは、HIV感染者であることが分かっていないままエイズを発症した患者です。つまり、「いきなりエイズ」です。

一方、HIV感染者であることが分かっている患者がエイズを発症した場合は、HIV感染者の病変報告対象となり、新規エイズ患者としては報告されません。「いきなりエイズ」でもありません。

以上のように、平成25年はHIV感染者の報告件数が1,546件でそのうち484件が「いきなりエイズ」でした。従って、HIV感染者として報告された件数における「いきなりエイズ」の割合は、

●いきなりエイズ=484÷1,546=30.4%

となっています。

しかし、当サイトで繰り返し記事にしているように、現代医学ではHIV感染が早期に分かればエイズ発症を防ぐことが可能です。「いきなりエイズ」は不可抗力ではなく、早期にHIV検査を受けていれば防げた可能性が高いのです。

その意味では、「いきなりエイズ」が30%も存在することは非常に残念なことであると思います。

◇「いきなりエイズ」の推移

では、平成12年から平成25年までの過去14年間の「いきなりエイズ」の推移をグラフで見てみましょう。まずグラフ1をご覧ください。


グラフ1.いきなりエイズ-HIV感染者

赤の折れ線グラフがいきなりエイズの割合を示しています。グラフの通り、平成12年には40%を超えていたいきなりエイズの割合は、その後徐々に減ってゆき平成20年に27.7%まで下がります。しかし、その後再び増加傾向となりここ数年は30%で推移しています。

一方、黄色の棒グラフはHIV感染者の報告件数を表しています。このHIV感染者報告件数といきなりエイズの割合における相関を考えてみたのですが、残念ながら私にはよく分かりませんでした。

HIVに感染してからエイズを発症するまでの期間は個人差があって、1年で発症する人もいれば10年経って発症する人もいます。平成25年にいきなりエイズを発症した人がいつの時点でHIVに感染したのかは不明です。

また、そもそも「いきなりエイズ」とは自分がHIVに感染していると気付いていない、潜在的な感染者の中から発症するわけで、当然ですが潜在的なHIV感染者の数は不明です。

次に保健所におけるHIV抗体検査の件数と、「いきなりエイズ」の割合をグラフ化してみました。グラフ2をご覧ください。


グラフ2.いきなりエイズ-保険所HIV検査

普通に考えると、保健所でHIV検査を受ける人が多くなれば潜在的なHIV感染者が減るので、いきなりエイズの件数も減るように思われます。

保健所におけるHIV抗体検査件数は、グラフからもお分かりの通り、平成20年をピークに減少し、ここ数年は下げ止まったままです。

一方で、平成25年の新規エイズ患者は484件で過去最多となっています。もっとHIV検査を受ける人が増えればいきなりエイズを減らすことも可能かと思います。

平成25年は新規エイズ患者の報告件数は過去最多でしたが、HIV感染者も過去2位という多さで、結局いきなりエイズの割合としてはここ数年と同じレベルでした。

◇早期のHIV検査は救命的検査になる!

最新の「いきなりエイズ情報」として、平成25年のデータをご紹介しました。いきなりエイズ件数=新規エイズ患者報告件数であり、平成25年は過去最多となっています。

何度も繰り返しあなたにお伝えしているように、いきなりエイズは早期のHIV検査によって防ぐことも可能です。しかし、自分だけは大丈夫という全く根拠のない自信がHIV検査の妨げになっているのかも知れません。

「まさが自分が・・・」

あなたが決してこんな後悔のセリフを言うハメになることなく、早期のHIV検査を受けることを願っています。あなたにとって、早期のHIV検査は救命的検査になるかも知れません。

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