2014年エイズ最新速報値をお届けしたいと思います。あなたのHIV感染予防、HIV検査にお役立て下さい。

2015年2月24日付で、厚生労働省エイズ動向委員会より2014年エイズ動向の速報値が発表になりました。その中から主な数値をご紹介したいと思います。最新HIV・エイズ情報としてお読み下さい。

なお、今回のデータはあくまでも2014年の速報値であり、正式版は今年(2015年)の8月ごろに発表になるものと思われます。(例年8月発表)

管理人注記(2016年3月2日)

姉妹サイト「HIV検査完全ガイド」に2015年のエイズ動向速報値を公開しています。ぜひそちらもご覧ください。

■2015年エイズ動向速報値

◇2014年エイズ動向

では最初に2014年、エイズ動向の主要数値をご紹介したいと思います。データ元は厚生労働省エイズ動向委員会ホームページです。

まずは主な数値からご紹介します。

項目 2014年 2013年
新規HIV感染者数(人) 1,075 1,106
新規エイズ患者数(人) 445 484
合計数(人) 1,520 1,590
いきなりエイズの割合(%) 29.2 30.4

表1.2014年 新規HIV感染者とエイズ患者

この新規HIV感染者と新規エイズ患者の推移を平成11年(1999年)から表したグラフが図1です。


図1.新規HIV感染者・新規エイズ患者の推移

また、新規HIV感染者の感染ルートをグラフ化したものが図2です。


図2.新規HIV感染者の感染ルート

同様に新規エイズ患者の感染ルートを表したグラフが図3です。


図3.新規エイズ患者の感染ルート

次に新規HIV感染者の年齢層をグラフ化したものが図4です。

HIV年齢2014
図4.新規HIV感染者の年齢層

同じく新規エイズ患者の年齢層を示したものが図5です。


図5.新規エイズ患者の年齢層

これらのデータの説明、及び更に詳しいデータをご覧になりたいあなたは姉妹サイトへどうぞ。

『エイズ動向2014年速報値』(HIV検査完全ガイド)

◇2014年の病変は?

『今やHIV感染症、エイズは致死的疾患ではなく、慢性疾患に近付きつつある』

こうした指摘を目にすることが度々あります。慢性疾患、という表現が正しいのかどうかは医学の専門家にお任せするとして、今回はHIVに感染した人がどのくらいエイズを発症しているのか、あるいはエイズを発症した人がどのくらい亡くなっているのか、それを調べてみました。いずれもエイズ動向委員会のホームページからの調査です。

●2014年 HIVキャリア⇒エイズ

HIVに感染してもエイズ発症前に治療をすればエイズにならずにすむ。医学の進歩によってエイズを防ぐことが出来る、これは色々なメディアで目にする指摘です。

そこで、エイズ動向委員会のデータを調べてみると、2014年にHIV感染者でエイズを発症した人の件数が分かりました。

・男性 7件

・女性 0件

となっています。ただし、7件のHIV感染者は、いつHIVに感染したのかは不明です。あくまでも2014年にHIVキャリアからエイズへと病変した件数です。

また、この7件は日本国内の全数ではありません。あくまでも医療機関による任意の報告に基づく数値です。現在、国内法では新規HIV感染者、新規エイズ患者は医療機関でそれが分かれば7日以内に保健所への届け出が義務付けられています。

しかし、それはあくまでも新規の場合であり、いったんHIV感染者として報告された人がその後エイズを発症したとしても、それは任意の報告に任されており、義務ではありません。従って、2014年にHIVキャリアからエイズへと病変した件数はもっと多いのかも知れません。

しかし、図1をご覧頂いてお分かりのように、昨年までの過去9年間、ほぼ毎年1000人以上の新規HIV感染者が報告されています。それに対して任意とは言え、HIVキャリアからエイズを発症した人はほぼ毎年一桁です。

いかに抗HIV医療が進んだか、早期のHIV検査が大事か分かります。つまり、エイズ発症前の、それも出来るだけ早い時期にHIV感染が分かればエイズ発症を防ぐ可能性は高まるのです。

●2014年 エイズ⇒死亡

同様に、エイズ患者がその後亡くなった場合も任意の報告となっています。全数報告ではありません。その前提ではありますが、2014年に亡くなったエイズ患者は以下の通りです。

・男性 16件

・女性  0件

HIVキャリアからエイズへの病変が7件だったのに、エイズ患者で亡くなった人が16人とは多いように思われるかも知れません。実は、この16件のうちエイズで亡くなった方は3人です。エイズ以外が8人、不明5人となっています。

エイズ以外と言うのは、例えばエイズ患者ががんで亡くなった場合です。この場合、エイズ患者が亡くなったとして任意報告となりますが、原因はエイズではありません。医学的に全く無関係と言えるのかどうか、それは私にはよく分かりませんが。

ただ言えることは、エイズ発症前からの治療の方が、エイズ発症後の治療よりも生存率が高く、後遺症が残る危険も少ないと言うことです。ここでも早期のHIV検査が何より大事だと言えます。

◇エイズで亡くなった人の累計

それでは最後に、エイズ動向委員会のデータから、2014年12月28日までの累計数値をご紹介しておきます。

●新規HIV感染者累計 16,887人

●新規エイズ患者累計 7,648人

●エイズ患者病変で亡くなった人の累計 964人(参考値)

ただし、新規HIV感染者、新規エイズ患者は全数報告であり、病変死亡者は任意報告です。また先ほども説明した通り、エイズ関連死以外の理由も含まれます。あくまでも参考値としてご覧下さい。

以上、今回は2月24日付、エイズ動向委員会の発表した2014年エイズ動向速報値からお届け致しました。姉妹サイトにて更に詳しい説明やデータのご紹介をしています。ぜひそちらもご覧下さい。

『エイズ動向2014年速報値』(HIV検査完全ガイド)

■この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。
『HIV感染者のエイズ発症率』
『HIV・エイズからの病変とは?』

■「もしかして・・・」 HIV感染が不安になったら迷わず検査。自宅でHIV検査が出来ます。
・STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)

■HIVと最も重複感染が多いのが梅毒、B型肝炎。症状がより重症化することがあります。
・STD研究所 STDチェッカー TypeO(男女共通)
HIV・梅毒・B型肝炎が同時に検査できます。

■検査キットの信頼性についてはこちら⇒検査の信頼性について
■検査キットを使った人のクチコミはこちら⇒利用者の声