HIVに感染した小児の検査や治療は大人の場合とは異なります。

ここでは一般的なHIV感染症の知識として小児感染を取り上げます。特にあなたのHIV感染予防に役立つという訳ではありませんが、大人とは違う小児対応を知っておいてください。

・・◇小児のHIV検査


まず、生後12ヶ月~18ヶ月までの小児にはHIV抗体検査は使えません。もしも母親がHIVに感染していた場合、母親からの移行抗体が存在するからです。

つまり、抗体検査で陽性になっても、母親がHIVに感染しているだけなのか、子供もHIVに感染しているのか区別が出来ません。

従って出産後の母子感染を確認するには一般的なHIV検査で使われているHIV抗体検査ではなく、ウイルスそのものを調べる検査が必要となりjます。

例えば核酸増幅検査(NAT)です。この検査なら血液中にHIVが存在しているかどうか、正確に検査することが出来ます。


・・◇抗HIV治療開始の時期


当サイトですでに記事にしてきた通り、HIV感染者のART(抗HIV療法)開始時期は体内のCD4数がひとつの目安になっています。

CD4数とは免疫機能の中枢細胞であるCD4陽性Tリンパ球の数です。HIVはこのリンパ球に感染し、破壊していきます。つまり、HIV感染が進行するとCD4数は減っていき、免疫力も低下していきます。

大人の場合だと健康な人でCD4数は700~1300くらいです。HIV感染が進行するとCD4はどんどん減少し、500を切ると黄色信号、350を切れば赤信号です。

現在ではCD4が高い水準のうちにARTを開始した方がその後の治療経過が良いことが分かっており、CD4が500を切れば治療開始が検討されるようになりました。以前は350以下になったときが目安だったのですが、それでは遅いとの専門家の指摘が多くなっているそうです。

しかし、5歳以下の小児の場合はまだCD4数が一定ではなく、年齢と共に変化していきます。単純に絶対値だけで治療開始時期を決められないのです。そこで、リンパ球全体におけるCD4数の比率を目安にするそうです。この比率は年齢によるばらつきが少ないのだそうです。

私が調べたところ、大人で健康な人はリンパ球全体の数は約2,000/μL、CD4陽性Tリンパ球の数は700~1,300/μLだそうです。

このCD4比率が20%~25%くらいになったらART開始の目安になるそうです。

また、CD4の比率以外にもウイルス量の測定値も参考して治療開始時期を決めるのだそうです。ウイルス量とはHIVのRNA遺伝子の数をカウントします。

このHIV-RNA量が10万コピー/mL以上に増えるとART開始の目安となります。

ただし、1歳以下の小児の場合はこれらの数値を参考にしてもなお、HIV感染の進行状況を正確に判断することは難しいそうです。しかも1歳以下では病気の進行が早いのだそうです。

従って、1歳以下でHIVに感染していることが分かった場合には、CD4やHIVのウイルス量によらずART(抗HIV療法)を開始することが望ましいとされています。



・・◇小児の抗HIV治療とは?


小児の場合、検査方法や治療開始の判断が大人と異なっていても、治療法そのものは大人と同じです。ARTにより3種類以上の抗HIV薬を服用します。

ただし、抗HIV薬の中には小児への副作用がまだはっきり分かっていないものもあるそうです。大人以上に慎重に経過観察をしながら薬の選択を行うことになります。

また、一度ARTが開始されればその後はずっと継続させなくてはならない状況は大人と同じです。従って小児が飲みやすい形状や味の薬が望ましいと言えます。

以上、今回は小児の抗HIV治療について概要を説明しました。なお、文中のデータについては「HIV感染症 診療マネジメント」(医薬ジャーナル社)、及び「HIV感染症の経過観察」を参考にさせて頂きました。

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