TOPコラムトップ>HIV-2について

HIV-2をあなたはご存知ですか?HIVにはHIV-1とHIV-2があるのです。

あなたが普通に保健所や病院、あるいは検査キットなどで行うHIV検査は、HIV-1とHIV-2の両方を検査しています。このHIV-1とHIV-2の情報については、当サイトの『HIV-1とHIV-2はどうちがう?』にてご紹介しています。ここではHIV-2に関する補足情報を追記したいと思います。

まず、真っ先に追記、修正すべき内容があります。それは、該当記事にこんな説明を入れたことです。

『HIV-1に対してHAART療法と言う治療方法が確立しているのに対して、HIV-2に対しては治療法がまだ確立していないそうです。』

この記事のソースは『これでわかるHIV/AIDS診療の基本』(南江堂)という本です。編者は白坂琢磨氏といって、国立病院機構大阪医療センター HIV/AIDS先端医療開発センターでセンター長をされている方です。まさに日本のHIV医療の専門家中の専門家です。

この本の発行が2009年12月となっています。ところが、この発行日の3年も前に、

『HIV-2感染症の治療の原則は基本的にHIV-1と同様である。』

という記述をしているサイトを見つけました。それがこちらのサイトです。

『日本人症例としてはじめてのHIV-2感染例の同定』

情報の発信元は、国立感染症研究所 感染症情報センターです。記事の掲載時期は2006年12月となっています。前述の白坂センター長がHIVの権威であることは間違いありませんが、国立感染症研究所もまた権威ある研究機関に違いありません。

2つの記事の発表時期が逆なら納得ですが、2006年に国立感染症研究所が、「HIV-2の治療法はHIV-1と同様である」としているのに、2009年に白坂センター長が「HIV-2に対しては治療法が確立していない」としています。

少なくとも2006年の時点ではHIV-1について、HAART(現在はARTと呼ばれることが多い)という治療法が確立しており、エイズ発症前にHIV感染が分かればエイズを防ぐことが出来るようになっていました。また、エイズ発症の場合でも免疫力を回復させることが可能となり、劇的に死亡者が減少しています。

従って、「HIV-2の治療法はHIV-1と同様である」という文面から普通に考えると、HIV-2もまた劇的に改善されているように思えます。

ただ、少し深読みすると、「HIV-2は治療法はHIV-1と同様だが、効果は同じではない。」のかも知れません。そこをもって、白坂センター長は治療法が確立していないとおっしゃっているのかも知れません。

2006年の国立感染症研究所の記事によると、HIV-2はHIV-1と同様の治療法と言いながらも、HIV-2の治療には

『非核酸系逆転写酵素阻害剤を避けた薬剤の組合せを用いることが推奨される。』

としています。これはどういうことかと言うと、通常抗HIV治療には、

●核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)

●非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)

●プロアテーゼ阻害薬(PI)

といった薬を組み合わせて使います。これを多剤併用法と言います。同記事では、HIV-2の治療にはこの3つのうち、非核酸系逆転写酵素阻害剤は使わない方がいいとしています。(その理由は同サイト参照)

このことが、白坂センター長の言われる「治療法が確立していない」という表現になっているのでしょうか。他にも専門書や医療サイトを調べてみたのですが、説明している記事を見つけることが出来ませんでした。

実際のところ、日本国内においてはHIV-2の発症例は極めて少ないのです。平成21年2月に厚生労働省が全国の都道府県に出した『医療機関及び保健所に対するHIV-2感染症例の周知について』という通達によれば、2009年2月までの時点で日本国内で報告されたHIV-2の症例は全部で5件です。

●2004年 1件

●2007年 2件

●2008年 2件

同通達によれば上記合計5件とされています。内訳は、3人がアフリカ系外国人で2人がアフリカ系外国人と性行為によって感染した日本人女性となっています。HIV-2は主に西アフリカに感染者が多いのです。

このように日本国内での発症例が少ないため、治療についての十分な検証が出来ていないという事情もあるかも知れません。

今のところ、日本国内ではHIV-2の発症例が極めて少ないのですが、今後増えてくるようだと治療法が気になりますね。

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