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HIV感染症の医療現場から最新情報

HIV感染症の医療現場から最新の話題をお届けします。

情報は国立感染症研究所(IDSC)感染症情報センターが運営するサイトからです。

・・◇国立感染症研究所(IDSC)感染症情報センターとは?


国立感染症研究所とは、1997年4月に、それまでの国立予防衛生研究所が名称変更して
誕生しました。その名称変更に伴って、感染症情報センターが発足しました。

主な機能は以下のようなものです。

●感染症サーベイランスデータの集計・解析・国民への情報提供
感染症サーベイランスとは、様々な感染症の発生状況を調査したり監視することです。

●外国の感染症機関との情報交換

●感染症集団発生の疫学調査・専門家の育成

●感染症予防制圧戦略の研究と提言

こういった機能をもっています。

当然ながら、HIV感染症、エイズのサーベイランスも重要な任務の1つとなっています。

では、この感染症情報センターが2011年10月にサイトに投稿した記事から、HIV医療現場の
最新話題をいくつかご紹介しましょう。

・・◇長期合併症の課題


かつてはHIV感染症は致死的疾患でした。HIV陽性の告知は、数年先の死を意味していたのです。

しかし、1997年頃から始まったHAARTと呼ばれる抗HIV療法により、HIV感染症は劇的に予後が
改善されました。(予後とは、治療後の経過、またはその見通しのことです)

下のグラフを見て下さい。

平成元年(1989年)から平成20年(2008年)までのエイズ患者の病変死亡データです。

エイズ病変死亡者数
図1.エイズ患者病変死亡数推移

日本の法律では、新規のHIV感染者やエイズ患者は全数報告が義務付けられているのですが、
そうした患者がその後死亡した場合の報告は義務ではなくて任意報告となっているようです。

従って図1のグラフも全ての病変データではありません。
しかし、病変死亡データの傾向はしっかり把握することができます。

HIV感染者は増加の一途をたどっているのに、患者の死亡数は1997年、HAART開始を堺に
激減しています。

感染症情報センターの記事によると、こうした抗HIV医療の進化によって、従来はとにかく
エイズ発症を防ぐことが最大の課題であったのが、今後は治療の長期化に伴う合併症が
新たな課題となってきたそうです。

例えばどんな合併症かと言えば、

●高脂血症

●糖尿病

●心血管疾患

●肝疾患

●骨疾患

●慢性腎臓病

●非エイズ関連腫瘍

などがあるそうです。

こうした合併症を防ぐためには、HIV感染による免疫力低下がひどくなる前に治療を開始する
ことが重要だそうです。

今までの抗HIV医療では、CD4が350~500で薬の投与を開始していましたが、もっと高い
レベルでCD4を保つ必要があるため、500以上でも投薬を開始することが研究されている
そうです。

CD4とはあなたの体にある免疫細胞の数量、すなわち免疫力を示す指標の1つです。
あなたが健康な状態であれば、700から1300くらいあります。HIV感染症が進行すると
CD4は一ケタまで下がり、免疫不全となります。

CD4についてもっと詳しく知りたいあなたはこちらから⇒『HIV増殖のメカニズム』

繰り返しになりますが、抗HIV医療はエイズ発症を防ぐことから、今後は感染者の長期治療を
支えることに力を注ぐことになります。

そのためには、HIV感染をいかにして早期の段階で見つけるか、HIV検査の重要性が再確認
されるところでもあります。

・・◇エイズの潜伏期間が短くなっている!


感染症情報センターの記事の中に、都立駒込病院感染症科の今村顕史医師のお話があります。

今村医師のお話では、

『最近、米国では新たに感染した患者のうち36%が1年以内にAIDSの指標疾患を発症したという
ことが報告され、HIVの病原性が変化してきている可能性も示唆されている』

とあります。

かつてHIV感染からエイズ発症までは、5年から10年と言われていました。それが何と1年以内の
発症が36%にも達していると言うお話です。

日本の厚生労働省でもエイズの潜伏期間が3年から4年という事例が増えているとしています。
詳しくはこちら⇒『エイズの潜伏期間が1年?』

この事実は何を意味しているかと言えば、「いきなりエイズ」のリスクが高くなっていることを
意味しています。

いきなりエイズとは、HIVに感染した人が自分の感染に気がつかず、エイズを発症してから気が
つくことを言います。文字通り、いきなりエイズです。

現在の抗HIV医療ではエイズ発症前にHIV感染が見つかって治療を開始すれば、エイズ発症を
防ぐことができるのです。それなのにHIV感染に気がつかず、いきなりエイズを発症することは
非常に残念なことです。

日本における「いきなりエイズ」の発症率は次のグラフの通りです。

いきなりエイズ発生件数とHIV陽性者数
図2.いきなりエイズ発症率(エイズ動向委員会データよりグラフ作成)

グラフを見てお分かりの通り、日本では「いきなりエイズ」の発症率は約30%に達しています。
いかに早期のHIV検査が大事かお分かり頂けると思います。

ここでの「いきなりエイズ」発症率とは、

(新規エイズ患者)÷(新規HIV感染者+新規エイズ患者)×100%

で計算しています。
すなわち、HIV感染者として報告された全ての件数における、新規エイズ患者の割をを示しています。
新規エイズ患者=いきなりエイズです。

もしもあなたにHIV感染の不安があって、HIV検査を迷っていると、エイズ発症防止には間に
合わない可能性が高くなっているのです。

ましてや、前項で説明したような、長期の合併症を予防するための早期治療開始など出来なく
なってしまいます。

あなたはくれぐれもご用心下さい。自覚症状が出る前にHIV感染不安があれば、まず検査です。

以上、国立感染症研究所(IDSC)感染症情報センターが運営するサイトから、HIV医療現場の
最新情報をお届け致しました。

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