HIV感染症は早期治療開始が有効であると伝えるニュースを取り上げます。あなたのHIV検査にお役立て下さい。

どんな病気でも早期発見、早期治療が原則なのは誰でも知っています。むろん、あなたもご存じでしょう。HIV感染症も当然早期発見、早期治療が大事です。

しかし、HIV感染症は「早期治療」についてはちょっと他の病気と異なる事情を持っています。

◇HIV感染、早期治療に著しい効果

2015年5月29日AFPが伝えたニュースです。ニュースソースはこちら⇒『HIV感染、早期治療に著しい効果 』

記事が伝えるところを要約すると以下です。

●2011年から35か国で年齢18歳以上のHIV感染者、男女合わせて4,684人について抗HIV治療を開始する時期とその後の経過を調べた。この調査は世界的な規模で実施された。

●HIV感染の診断が下された時点で治療を開始した患者グループは、時間が経過し、免疫系が低下した状態で治療を開始したグループに比べて、死亡率やエイズなどの重病発症率が53%低くなることが判明した。

●米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・フォーシ所長は「抗レトロウイルス療法を早期に開始することで、感染患者が得られる健康上の恩恵は著しく大きくなる。今回、その明確な証拠が得られた」と語った。

と言うことです。

実は当サイトでもほぼ同じような内容をすでに記事にしてきました。次のような記事です。

『早期のART開始勧告』

『急性HIV感染症の治療は?』

いずれも早期の抗HIV治療開始が有効だとする内容です。これらの記事でも書きましたが、なぜ「早期治療が大事」などと、分かり切ったことがニュースになるのか。それは抗HIV治療が他の病気の治療とは違うからです。

◇HIV感染症治療の特別な事情とは?

HIV感染症は、患者がHIVに感染していると分かってもすぐには治療開始をしません。それにはいくつか理由があります。

1.HIV感染からエイズ発症までの潜伏期間が長い。治療しなくても普通に生活できる時期が長く続く。

2.そもそも抗HIV治療はエイズ発症を遅らせる治療であり、HIVを完全に駆除するものではない。

3.いったん抗HIV治療で投薬を開始すると、途中で中止することが出来ない。生涯治療となる。

4.毎日決められた時間に決められた量を飲む必要があり、飲み忘れると効き目がなくなる恐れがある。患者の負担は大きい。

5.抗HIV薬には副作用があり、早く治療を開始すれば副作用も長く続き蓄積する恐れがある。

抗HIV治療にはこうした事情があります。つまり、治療は生活に支障がないうちは出来るだけ遅く開始する方が患者のためだ、といった考え方がありました。

しかし、さすがに何かの症状が出るまで待つわけにはいかず、治療開始の指標としてCD4という指標を管理していました。CD4は人間の免疫力を測る指標であり、健康な人なら700~1300くらいあります。

HIVに感染すると長い年月をかけて免疫力が段々低下し、CD4は500、300、200、ついには一桁まで下がります。このCD4の数値を管理し、以前はCD4が350を切ったら治療開始とされていました。

つまり、あなたが仮にHIVに感染していることが分かっても、何も症状が出なければCD4が350以下になるまでは抗HIV薬の投与はされないまま、経過観察の処置となっていたのです。それは3年間かも知れないし、5年間かも知れません。その間は特に治療を受けず、検査のみです。

しかし、近年早期の抗HIV治療開始が有効だとする説が出て、現在ではそれが主流です。例えば2013年6月末、世界保健機関(WHO)はHIV感染者の治療をより早期に開始するよう求める勧告を発表しました。それはCD4の値500を目安にART(抗HIV治療)を開始する方法です。

また、日本の厚生労働省の「抗HIV治療ガイドライン」にART開始時期についての詳しい解説があります。詳細はそちらをお読み頂くとして、ざくっとした話をすれば以下となります。

●CD4が350以下
ART(抗HIV治療)を開始する。

●CD4が351~500
積極的なART開始が勧められる。

●CD4が500より多い
ARTの開始について結論は出ていないが、二次感染防止のためARTを開始してもよい。

このように世界的に抗HIV治療は早期開始が患者のためであり、また二次感染防止の観点からは社会全体のためにもなると考えられるようになりました。

今回紹介したAFPによるニュースもその流れに沿ったもので、早期の抗HIV治療開始のメリットをより明確な証拠で示したものと言えます。

◇改めて早期のHIV検査は救命的検査

まだ免疫力が低下する前に抗HIV治療を開始することで、患者の生命、健康が維持される可能性が高くなります。しかし、それには早期のHIV検査が絶対不可欠です。なぜなら、HIV感染はHIV検査以外では分からないからです。

当サイトで度々記事にしていますが、日本国内では毎年約1,500人くらいの新規HIV感染者が報告されています。(エイズ発症を含む)

そのうち、実に30%以上はすでにエイズを発症しているのです。いわゆる「いきなりエイズ」状態です。50歳以上の高齢者に至っては何と50%を超えています。下のグラフを見て下さい。(姉妹サイトから引用)

いきなりエイズ

何も症状がなくても早期の抗HIV治療が有効と言っている中、エイズを発症してからの治療はどうなのか。やはり生存率が低下したり、重大な後遺症が残ったりします。

HIV感染は予防がまずは第一ですが、少しでもHIV感染の不安、心当たりがあればHIV検査を受けること、それも出来るだけ早期に受けること、これがあなたの身を守る方法です。エイズを発症して気付く「いきなりエイズ」は避けて下さい。

早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査となります。

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