かつて致死的疾患であったHIV感染症は、現在では投薬治療によってエイズ発症を防ぐことも可能になりました。
よく使われる表現として、
「HIV感染症は慢性疾患となった。」
と言われます。
◇1994年のエイズ(アメリカ)
それもこれも、1997年頃から始まったARTと呼ばれる多剤併用法のお陰です。体内のウイルス量を検出限界付近まで抑えることが可能となり、免疫力低下を防ぐことが出来るようになりました。
ARTによってエイズで亡くなる患者は激減しました。
しかし、ARTが使われる前のHIV感染は数年先のエイズ発症を意味しており、エイズ発症は2年以内の死を意味していました。まさにHIV感染症は致死的疾患でした。
では、そんなHIV感染症が致死的疾患だった1994年、HIV感染症はどんな病気だったのでしょうか。
ここに古い記事が残っていました。
この記事は一般財団法人 海外邦人医療基金の公式サイトに残ったままになった記事です。記事が書かれたのは1994か1995年です。
当時のアメリカにおけるエイズ情報をアメリカ在住邦人に情報発信したものです。
なにせ1994年、1995年頃のアメリカにおけるエイズは、
『米国で最近、最も重要な問題となっている感染症はエイズです。1994年のエイズ患者数は8万人を超えており、内推定死亡者数は約4万2千人で、全米の死亡原因ランキングの中で第8位となっている程です。』(同サイトより)
と言う状況だったのです。
アメリカで暮らす日本人向けにHIV感染症、エイズのリスクを伝えることは非常に重要だったのです。
同記事の中で私が特に関心を持ったのがエイズ患者の生命予後とHIV抗体検査の2点です。
1.エイズ患者の生命予後
まずエイズを発症した場合の生命予後(どのくらい生きられるか)について、こう書かれています。
「HIVに感染してCD4値が200以下になったエイズ患者は、何も治療しなければ50%~70%が2年以内に死に至る。」
「HIVに感染してCD4値が200以下になったエイズ患者で抗HIV治療を受けた場合は平均生命予後は38.1ヶ月である。」
つまり、エイズを発症して有効な治療をしなければ2年以内に死に至り、治療をしても3年ちょっとで死に至る、まさに致死的疾患だったのです。
また、こうも書かれています。
「HIVに感染して約10年後に、約50%の人はエイズを発症する。」
当時はエイズ発症までの潜伏期間は10年くらいだったのですね。当サイトで度々記事にしてきたように、近年では潜伏期間が3年未満の例も多数あり、潜伏期間が短くなっていると指摘されています。
2.HIV抗体検査
1994年当時は一般的にはHIV抗体検査が行われていました。抗原検査や核酸増幅検査(NAT検査)などは行われていませんでした。
そして、HIV抗体検査については、
『感染のおそれのあるでき事から少くとも2ヶ月以上-3ヶ月経過してから検査を受ける方がよい。6ヶ月後まで検査して陰性であれば、その人はHIVに感染していないとほぼみなしてよい。』(同サイトより)
こう書かれています。
現在使われている第四世代の抗原抗体検査であれば、2ヶ月後に陰性であればほぼ感染していないと判断出来ます。それからすると、HIV検査の技術も進歩したなぁと思います。
さて、今回は1994年から1995年頃のアメリカ在住邦人向けに発信されたHIV感染症、エイズの記事をご紹介しました。
このように、HIV感染症がまだ致死的疾患であった当時の記事を残したサイトがたまに見つかります。そこに出ているのはHIV感染が数年先の死を意味するという恐怖、緊迫感です。
HIV感染症が慢性疾患に近い病気とされる現代とはまるで違います。
しかし、医学の進歩によって慢性疾患に近づいたHIV感染症ですが、それでも早期検査、早期治療が条件です。
最近の抗HIV医療では、投薬開始時期が早ければ早いほど予後が良好と指摘され治療のガイドラインも改定されています。
あなたもHIV感染の不安、心当たりがあればぜひ早期にHIV検査を受けて下さい。
今は1994年とは違います。早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査となります。
早期のHIV検査はエイズ発症を防ぎ、救命的検査となります。
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