平成24年第1四半期(1月~3月)のエイズ動向が発表になりました。

2012年5月24日、厚生労働省エイズ動向委員会から第1四半期(1月~3月)の新規HIV感染者・新規エイズ患者などのデータが発表にになりました。

ここでは、その中から主な指標をあなたにご紹介していきたいと思います。

・・◇新規エイズ患者が過去最多だった平成23年(2011年)

エイズ動向委員会からは平成24年の第1四半期のデータと共に、平成23年の通期データも出しています。当サイトでは、『平成23年のいきなりエイズ』という記事で2月に速報値をご紹介しましたが、そこから修正が入っています。

まず平成23年の修正データからご紹介することにします。

●平成23年の新規HIV感染者と新規エイズ患者(2月速報値)
新規HIV感染者 1,019件(過去5位)
新規エイズ患者   467件(過去2位)

これが今回修正されて以下のようになりました。

●平成23年の新規HIV感染者と新規エイズ患者(5月修正値)
新規HIV感染者 1,056件(過去4位)
新規エイズ患者   473件(過去1位)

やはり2月の速報値よりも件数が増えています。残念ながら新規のエイズ患者は過去最多となってしまいました。これは「いきなりエイズ」の発症件数も過去最多であることを意味しています。


・・◇平成24年第1四半期(1月~3月)エイズ動向


厚生労働省エイズ動向委員会が5月24日に発表したデータをご紹介します。(正確な対象期間は、平成23年12月26日~平成24年3月25日)

●新規HIV感染者 246件(昨年同時期 243件)
四半期ベースとしては過去17位

●新規エイズ患者 105件(昨年同時期 117件)
四半期ベースとしては過去19位

となっています。


・・◇新規HIV感染者とエイズ患者の感染ルート


平成24年第1四半期に報告された新規HIV感染者、新規エイズ患者の感染ルートは以下の通りです。

●新規HIV感染者の感染ルート

2012年第1四半期新規HIV感染者の感染ルート
図1.2012年第1四半期 新規HIV感染者の感染ルート

図1をご覧頂いてお分かりのように、新規HIV感染者の約7割近くが同性間の性的接触による感染です。全て男性で、女性による同性間の性的接触による感染はありません。

また、同性間、異性間を合わせた性的接触による感染が全体の9割以上を占めています。

以下、静注薬物使用・・0%、母子感染・・0%、その他・・0.8%、不明・・8.9%となっています。


●新規エイズ患者の感染ルート

2012年第1四半期 新規エイズ患者の感染ルート
図2.2012年第1四半期 新規エイズ患者の感染ルート

HIV感染者同様、新規のエイズ患者においても同性間性的接触が最も多い感染ルートとなっています。全て男性で、女性による同性間の性的接触による感染はありません。

ただし、この集計で同性愛者の定義は「同性愛者+両性愛者」となっているため、実際の感染が同性だったのか、異性だったのは不明です。

異性、同性両方を合わせた性的接触による感染が全体の76.1%を占めています。

以下、静注薬物使用・・1.0%、母子感染・・0%、その他・・1.9%、不明・・21.0%となっています。


・・◇新規HIV感染者とエイズ患者の年代別分布


平成24年第1四半期に報告された新規HIV感染者、新規エイズ患者の年代別分布は以下の通りです。

●新規HIV感染者

2012年第1四半期 新規HIV感染者の年代別分布
図3.2012年第1四半期 新規HIV感染者の年代別分布

図3からお分かりのように、新規HIV感染者は20代、30代が最も多くなっています。しかし、50歳以上にも全体の12%以上の新規HIV感染者が存在しています。

中高年においてはHIV、エイズに対する認識・知識不足から感染リスクが高いのではないかと指摘されているところです。

50歳以上のあなた、ご自分だけは絶対大丈夫などと、根拠のない自信を持っていませんか?HIV感染に年齢は全く関係ありません。若い人同様くれぐれもご用心下さい。


●新規エイズ患者

2012年第1四半期 新規エイズ患者の年代別分布
図4.2012年第1四半期 新規エイズ患者の年代別分布

四半期ベースのデータをサイトの記事にし始めて3年目ですが、このように50歳以上が最も多い分布になっているのは過去に記憶がありません。

確かにエイズ発症までの潜伏期間が長い分だけ高齢化するのは分かりますが、それにしてもびっくりです。今回はあくまでも四半期ベースのデータなので、今後のデータに注目したいと思います。

ただ、この新規エイズ患者とはすなわち「いきなりエイズ」患者を指しています。高齢者になればなるほど、HIV検査を受ける割合が低いのではないでしょうか。そのために自分のHIV感染に気が付かず、「いきなりエイズ」発症となっているような気がします。

これはあくまで私の推測であって裏付けとなるデータはありません。しかし今回のデータから、HIV感染、エイズ発症が年齢を問わないことだけは明確です。

高齢者のあなたも、少しでもHIV感染の不安があればいきなりエイズ発症前にHIV検査を受けて下さい。エイズ発症までの潜伏期間は近年短くなる傾向にあり、かつての7年、10年から2,3年でエイズを発症する事例が増えています。


・・◇保健所などのHIV抗体検査と献血


●保健所などでHIV抗体検査を受けた件数・・31,995件
昨年同時期に比べると840件の増加です。昨年までHIV検査を受ける人は減少傾向にありましたが、やっと横ばい傾向になったそうです。

●献血件数・・1,325,793件
この中で14件のHIV陽性が見つかっています。あなたにHIV感染の不安があるとき、献血をHIV検査の代わりに使うのは絶対に止めて下さい。血液センターのNAT検査でもHIV感染直後の血液は検査をすり抜ける可能性があります。


・・◇HIV感染者の累計が2万件を超えたました


エイズ動向委員の発表では、平成24年3月25日現在、新規HIV感染者の累計報告件数、及び新規エイズ患者の累計報告件数は以下の通りです。

●HIV感染者の累計・・・13,913件
●エイズ患者の累計・・・ 6,371件
●合計・・・20,284件

HIV感染者・エイズ患者の報告件数累計データ
図5.HIV感染者・エイズ患者累計データ

ここでいうHIV感染者、エイズ患者の定義を説明しておきます。2012年3月25日の時点で、国内にHIV感染者が13,913人、エイズ患者が6,371人存在する、という意味ではありません。あくまでも1985年からの報告件数の累計なのです。

エイズ動向委員会では毎年新規のHIV感染者と、新規のエイズ患者の報告件数をまとめています。その合計累計が2万件を超えたという意味です。

そして新規のHIV感染者と新規のエイズ患者は重複しません。例えば3年前にHIV感染者として報告された人が今年エイズを発症しても、新規エイズ患者として報告されることはありません。その場合は任意の病変報告となります。

つまり、新規エイズ患者とは、HIV感染していることに気が付かず、いきなりエイズを発症した患者を言います。HIV感染感染者としては報告されることなくエイズ患者として報告された患者です。

この新規HIV感染者、新規エイズ患者は全国のどこの医療機関で見つかっても7日以内に保健所経由で都道府県知事に全数報告するよう法律で定められています。従って報告件数は正確な数字が上がってきます。

ただし、HIV感染者、エイズ患者のその後の病変については全数報告ではなく、任意の報告となります。従って、今現在国内にHIV感染者、エイズ患者が何人実在するのかは分かりません。

もしかしたら、かなり正確な現時点でのHIV感染者、エイズ患者のデータがどこかにあるのかも知れませんが私は見たことがありません。なお、病変データそのものはエイズ動向委員会が公表しています。ただしどこまでデータ収集が行われているのかは不明です。


最後になりますが、厚生労働省エイズ動向委員会の岩本委員長は今回のコメントの中で、次のように言われています。

「HIV感染の早期発見は個人においては早期治療、社会においては感染防止に結びつく。HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用して欲しい。」

早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査になるかも知れません。あなたがどうしても保健所や病院に行けない事情があるなら、あなたの自宅でもHIV検査は可能です。

あなたがHIV検査を先延ばしにしてプラスになることは何ひとつありません。いきなりエイズの発症リスクが増すばかりです。

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