帯状疱疹は珍しい病気ではなく、あなたがいつ発症しても不思議ではありません。


私が自分のHIV感染症を疑うきっかけの1つが帯状疱疹でした。⇒『私の帯状疱疹体験記』

私はそれまで帯状疱疹なる病気があることも知らず、全くの初体験でした。

それだけに帯状疱疹は私にとって特別珍しい病気であり、めったなことでは発症する病気ではないと思っていました。だから余計にHIVに感染しているのではないかと不安が大きくなったのです。

◇帯状疱疹は珍しい病気ではない

ところが実際には帯状疱疹はちっとも珍しい病気ではないのです。私が知らなかっただけです。

「帯状疱疹・単純ヘルペスが分かる本」(法研)によれば、

●日本人の10%から20%は帯状疱疹を発症する。

と書かれてあります。

また、「帯状疱疹に克つ」(講談社)によれば、

●人口1000人あたり毎年6人から7人が帯状疱疹を発症する

そうです。

仮に6人で計算してみると、

あなたが1年間に帯状疱疹を発症する確率は、6/1000=0.6% となります。では、これを21歳から80歳までの60年間で計算すると、

60×0.6=36%

となります。つまり、

●あなたが一生のうちに帯状疱疹を発症する確率は36%

です。

別の言い方をすれば、3人に1人は一生のうちに1回は帯状疱疹を発症します。この数字を見れば、帯状疱疹が全く珍しい病気ではないことが分かります。

従って、単に帯状疱疹を発症したからと言って、即座にHIV感染と結び付けるのは過剰反応です。

ただし、私のようにHIV感染に心当たり、思い当たる過去のある人は真っ先にHIV感染を疑うべきだと思います。

◇帯状疱疹はなぜ起きる?

帯状疱疹はなぜ特別珍しい病気ではないのか?あなたがいつ発症してもおかしくないのはなぜか?それは、ほとんどの大人が帯状疱疹の病原菌を持っているからです。

帯状疱疹を起こす病原菌は、

VZV=varicella zoster virus (水痘帯状疱疹ウイルス)

です。

あなたも私も、たいていの人は子供の頃に水痘にかかります。水痘とは水ぼうそうのことです。

水ぼうそうに感染すると3週間くらいの潜伏期間の後、発熱や倦怠感といった風邪と似た症状を発症し、全身の皮膚に小さな水泡が沢山出来ます。

でも、子供の水ぼうそうはそれほど重症化することはありません。特に予防接種を受けている子供なら症状が出ない子もいるし、ごく軽い症状で回復する子もいます。

問題は、この水ぼうそうが回復した後です。

水ぼうそうが治る、回復する、と言うのは水ぼうそうウイルスがいなくなることです。水ぼうそうを発症した後に免疫機能が働いて抗体が出来、ウイルスを攻撃して退治します。こうして血液中の水ぼうそうウイルスは一掃されて病気が治るのです。

ところが、水ぼうそうウイルスの一部は、皮膚の神経にもぐりこみます。神経の中に入ったウイルスは神経伝いに移動し、神経根にたどり着きます。

神経根とは、末梢神経の根元で、水ぼうそうウイルスはここに潜んでじっと隠れるのです。

あなたの神経根の中で水ぼうそうウイルスは死ぬことなく、不活性状態のまま復活の時を待ちます。そしてあなたの免疫力が低下すると復活を遂げて帯状疱疹を発症するのです。

つまり、あなたも私も帯状疱疹を発症する病原菌を子供の頃から抱えており、後は免疫力が低下すればいつでも発症する可能性があるのです。むろん、免疫力低下はHIV感染に限りません。

例えば、

●過労やストレスによる免疫低下

●加齢による免疫低下

●内臓の悪性腫瘍よる免疫低下

●手術や放射能治療による免疫低下

などが考えられます。

◇帯状疱疹を発症すると・・・

あなたが帯状疱疹を発症すると、ウイルスは神経根に隠れた時とは逆のコースをたどります。神経根から末梢神経をたどって皮膚へ進み、やがて皮膚の表面に現れて水泡を作ります。

帯状疱疹は本質的には神経の炎症です。痛みを伝達する感覚神経そのものが炎症を起こすので、ピリピリするような激しい痛みを感じます。

そして炎症がひどくなると神経から溢れだして皮膚表面にまで及び、水泡となります。私が帯状疱疹を発症したときも、最初は筋肉痛かと思いました。

では、代表的な帯状疱疹の症状を説明します。

①まず、ヒリヒリした痛みを感じます。そして皮膚がかゆくなり、これが1週間ほど続きます。

②やがてその場所に赤い発疹が出てきます。

③次に発疹上に小さな水ぶくれが出来ます。

④水ぶくれは6日から8日で破れてただれたようになります。

⑤発疹、水ぶくれの範囲が広がっていきます。

⑥水ぶくれは約2週間でかさぶたとなります。

⑦3週間もするとかさぶたが取れて完治します。

帯状疱疹が発症する場所は頭、顔、首、腕、お腹、背中、脚など、知覚神経がある場所ならどこにでも出る可能性があります。私の場合は首から肩にかけて発症しました。

ただ、発症するのは水ぼうそうウイルスが復活した神経だけなので、体の右側か左側か、どちらか片方だけです。私は左側に発症しました。

◇帯状疱疹の治療は?

帯状疱疹の治療は水ぼうそうウイルスの増殖を抑えること、炎症を抑えること、この2つが基本です。

「帯状疱疹に克つ」(講談社)で紹介されている薬をここにあげておきます。

●抗ウイルス剤(商品名)⇒ウイルスの増殖を止める

ゾビラックス(内服薬・点滴)

バルトレックス(内服薬)

アラセナ-A(点滴)

●消炎鎮痛剤(商品名)⇒神経の炎症による痛みを抑える

ボルタレン(内服薬・座薬)

インダシン(内服薬・座薬)

ロキソニン(内服薬)

この他、痛みがひどくて不眠状態になった患者には睡眠薬が処方されます。

◇「帯状疱疹かな?」と思ったらどうする?

実は帯状疱疹は医者でも早期発見が難しい病気です。最初は痛みを感じるところから始まるので帯状疱疹だと思いません。たいては水ぶくれが出来て初めて分かるのです。

まさに私の場合もそうでした。

あなたが「帯状疱疹かな?」と気がつくのもたぶん発疹や水ぶくれが出てからです。当然ですがすみやかに皮膚科に行って治療を受けて下さい。

そして、ここからが重要なのですが、免疫力低下の原因を考えてみて下さい。

そう、HIV感染に心当たりがありませんか?

●風俗などで不特定多数の相手と性行為をした。

●コンドームなしで性行為をした。

●コンドームなしでアナルセックス、オーラルセックスをした。

こうした行為に思い当たるようなら、念のためにHIV検査を受けることをお勧め致します。

先ほど帯状疱疹が誰でも発症する珍しくない病気だと説明しましたが、同時にHIV感染による免疫不全から発症する病気であることも事実です。

以上、帯状疱疹の基礎知識でした。

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