進行性多巣性白質脳症(PML)はエイズ指標疾患の1つです。非常に治療が難しく、生命予後が極めて悪い病気でもあります。

また、専門書や医療サイトなどを調べてこの記事を書いていますが、素人の私には難解であり全てを理解した上であなたにお伝えするのは不可能です。

進行性多巣性白質脳症の情報元、引用元を表記した上で、極力正確にお伝えしたいと思います。

◇進行性多巣性白質脳症の概要

進行性多巣性白質脳症とは、JCウイルスの再活性化によって起こる中枢神経の脱髄性疾患です。

これ、いきなり難しいですよね。読んだだけではいったい何のことやらさっぱり分かりません。そこで私なりに調べたことを補足します。

●JCウイルス

ポリオーマウイルス科ポリオーマウイルス属に分類されるDNAウイルスです。特別珍しいウイルスではなく、健常人の70%以上にJCVに対する抗体が認められます。

すなわち、私やあなた、そしてほとんどの人が幼少期に無症候性にJCVに感染すると考えられているのです。しかし、健康な状態で免疫力があれば何も症状が出ることはありません。

 

●再活性化

JCVが感染しても健康で免疫力があるときは何も症状が出ません。しかしHIV感染による免疫力低下や、何かの病気で免疫制御の治療を受けている場合などにJCVが再活性化して発症します。

例えば、血液系悪性腫瘍・膠原病・自己免疫疾患・臓器移植後などの免疫力を抑制する治療です。

 

●中枢神経の脱髄性疾患

「脱髄性疾患」を説明するのは非常に難しいです。こちらのサイトに大変分かりやすい例を交えて説明された記事があります。ぜひこちらをご覧ください。⇒「脱髄性疾患」(medley.life)

中枢神経に極めて深刻なダメージを与える疾患だと思って下さい。

進行性多巣性白質脳症は過去に感染して潜伏していたJCウイルスが、HIV感染などの免疫力低下によって再び活性化し、中枢神経に大きなダメージを与える病気です。

具体的な症状としては、病変部位による麻痺、けいれん、意識障害、脳神経障害などです。半盲や運動失調、呂律不良などをきたします。

一方で、発熱、頭痛、嘔吐、吐き気などの症状は通常出ないとされています。

なお、HIV感染による免疫力低下が引き金になる場合は、CD4の値が100mLを切った場合に発症例が多いとされています。

エイズ動向委員会のデータによれば、エイズ指標疾患としての進行性多巣性白質脳症は2014年に12件報告されています。また1985年からの累計では99件が報告されています。

◇進行性多巣性白質脳症の怖さ

進行性多巣性白質脳症は極めて生命予後が悪く、HIV感染による発症の場合で中央生存期間は1.8年、その他の疾患を基礎疾患とした場合は中央生存期間が3ヶ月とされています。

進行性多巣性白質脳症に有効な特異的治療法はなく、HIV感染者の場合であればARTによる抗HIV治療を優先させます。

極めて悪い予後ですが、治療効果が効いて免疫力の回復が出来た患者さんは病気の進行が止まったり、回復することもあるそうです。しかし、重い後遺症が残ることもあります。

今やHIV感染症は致死的疾患ではなく慢性疾患に近付きつつあるとさえ言われます。しかし、それは早期にHIV感染が見つかって治療を開始した場合です。

いきなりエイズによって、今回説明したような進行性多巣性白質脳症を発症すれば重大な生命の危機に直面すると同時に、仮に命は助かっても後遺症の恐れがあります。

当サイトで何度もお伝えしたきたように、早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査となります。

今回はエイズ指標疾患の1つである進行性多巣性白質脳症についてその概要を説明致しました。

今回参考にさせて頂いた文献、サイトは以下の通りです。

●「HIV感染症 診療マネジメント」 今村顕史著 医薬ジャーナル社

●「HIV/AIDS患者のトラブルシューティングとプライマリ・ケア」 岩田健太郎 編 南山堂

●「進行性多巣性白質脳症(PML)」難病情報センター

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