HIV感染が不安なあなたへ

自分がHIVに感染していると思う人ほど検査結果を知るのが怖いのです・・・・。

理屈で考えれば、HIVに感染した可能性が高い人ほど検査が必要です。どんなことがあっても、
一刻も早くHIV検査を受けに保健所や病院に行かなくてはなりません。

でも、理屈はそうだと分かっていても、HIV感染の不安を持つ人にとっては、そう簡単に納得
できるものではありません。

何より怖いのです。もしもHIVに感染していたら・・・そう思うと怖くて保健所には行けないのです。
不安な気持ちが大きければ大きいほど、怖くて行けなくなります。

かつての私がそうでした。

もしかして、今のあなたもそうではありませんか?

・・◇「HIV陽性」という現実


国立国際医療センターエイズ治療・研究センターの医師である、本田美奈子さんの著書に
「エイズ感染爆発とSAFE SEXについて話します」と言う 一冊があります。

この本の中で、自分がHIVに感染しているかも知れないと悩む若い女性が本田さんにこう言います。

「自分は平気だ」と思っている人ほど、HIV検査を受けに行くと思う。私は怖くて怖くて、ほんとに
感染していたらどうしようと思うと、その一歩が踏み出せない。

私にはその女性の気持ちが痛いほど分かります。
なぜなら、私も同じ気持ちになったことがあるからです。

2009年の秋、突然私は自分がHIVに感染しているのではないかと不安になりました。

感染の可能性がある行為に心当たりがあって、急性HIV感染症と思われるような発疹や発熱、
下痢、頭痛などが連発したからです。

私は夜も眠れない、食事も喉を通らないほど不安になりました。
それでも保健所でHIV検査を受ける勇気がなくて、結局3ヶ月間も悩み続けました。

そしてついに勇気を振り絞ってHIV検査を受けたのです。
検査結果は幸いにも「陰性」でした。

今考えると、どんなに不安でたまらない思いがあっても、HIV検査を受ける前はどこかで
自分をごまかしていました。現実から逃げていました。

「まさか自分がHIVに感染なんてするはずがない。」

そう自分に言い聞かせていたのです。

どんなに強い疑いがあっても、それは疑いでしかありません。確定ではないのです。
まだ自分をごまかす余地が残ってるのです。

でも、HIV検査を受けて「陽性」判定を突きつけられたら・・・もう、ごまかせないし、逃げ場も
ありません。

真正面からHIV感染と向き合い、その事実を受け入れなくてはならないのです。

仕事は? 家族は? 友人は? これからの人生は?

そう考えると、HIV感染の事実を受け入れる勇気などとてもありませんでした。
怖くて、怖くてたまらないのです。だから検査を受けることが出来ませんでした。

・・◇もはやHIV感染は致死的疾患ではない!


かつてHIV感染症は致死的疾患であり、HIV陽性の告知は数年先の死を意味していました。
それはどんなにか辛い、悲しい告知であったことでしょう。残酷極まりない告知です。

でも、現在では完治しないまでもエイズの発症を防ぐことは出来るようになりました。HIV感染症は
もはや致死的疾患ではなく、慢性疾患に近づきつつあるのです。

ちゃんと治療を受けて薬を飲めば、仕事も学校も続けることができます。
医療費も色々な支援の枠組みがあって、経済的な負担も少なくて済みます。

私は最初自分がHIVに感染しているかも知れないと不安になったとき、数年先の自分の死をイメージ
しました。それはとてつもなく怖いイメージでした。

「どうせ治らない病気なら、検査に行って怖い思いをするより、知らないままの方がいい。」

私はそんなことさえ思いました。

でも、そうではないのです。実際には、HIVの感染は治らないけど、エイズ発症は防げるのです。
HIVに感染したからもう人生お終いなんてことは決してないのです。

あなたが今、HIV感染を不安に思い、恐れる気持ちはよく分かります。でも、あなたが最も恐れる
べき事態は、HIVに感染していることではなく、感染を知らないままいきなりエイズを発症すること
です。いきなりエイズはまさにあなたが生命の危機に直面することになります。

私は3ヶ月間、エイズ発症のことを考え続けました。

「自分がHIV陽性であることを知るのは怖い。とても怖い。
だけどエイズを発症するのはもっと怖い。そして死にたくない。死ぬのは絶対に嫌だ。
もし自分がHIVに感染しているのなら、1日でも早く専門医に診てもらうことが助かる道だ。」

そう考えたのです。

その時の私には、もうHIV検査を受ける以外の選択肢はありませんでした。

繰り返しになりますが、私はあなたにHIV感染が致死的疾患ではないことを知って欲しいと思います。
仮にあなたにHIV陽性の告知がされたとしても、あなたの人生がそこで終わる訳ではありません。

こんなことを今私が書けるのも、結局私がHIVには感染していなかったからかも知れません。
もしも本当にHIVに感染していたら、今頃どんな気持ちでいるのか、同じことが書けるのか、それは
正直分かりません。

でも、私がHIV検査を決意したとき、HIV陽性の結果が出たら、その現実を受け止めようと思ったのは
間違いありません。

そして、そう思うことが出来たのは、HIV感染は早期治療によりエイズの発症を防げると知ったから
です。だからあなたにもそのことを知って欲しいのです。

・・◇1000人に3人の確率


毎年全国の保健所ではHIV検査を受ける人は10万人以上います。そしてHIV陽性率は0.3%です。
つまり、保健所でHIV検査を受けた人、1000人に3人がHIV陽性だったのです。

この0.3%という確率をどう見るかです。

普通に考えたら、極めて可能性の小さな確率だと思います。まず、めったなことではHIV陽性には
ならないと言えます。現実にはたったの0.3%なのです。

しかし、だからと言ってあなたがHIV検査は受けなくてもいい理由には絶対になりません。
どんなに小さい可能性でも、ゼロでない限りあなたはHIVに感染しているかも知れないのです。

私が言いたいのは、HIV陽性の確率は0.3%なのだから、検査を受ける前から悲観的になったり、
絶望的になる必要はないということです。

私の場合も、急性HIV感染症を思わせる全身の発疹、帯状疱疹、発熱、頭痛などが連発したにも
かかわらず、HIVには感染していませんでした。

だから、あなたに疑わしい症状がどれだけあったとしても、HIVに感染していると決めつけないで
下さい。

全く自覚症状のない人がHIV陽性になるかも知れないし、とっても怪しい人が陰性かも知れません。
HIV感染は検査を受けてみないと絶対に分からないのです。

・・◇HIV感染の不安を抱えるあなたへ


あなたがHIV感染の不安を持ったということは、ある意味とてもラッキーなことです。
なぜなら、それがHIV検査を受けるきっかけになるからです。

現在、日本ではHIVに感染した人の約30%が、自分が感染したことに気がつかないまま
エイズを発症しています。いきなりエイズです。

エイズ発症前にHIV感染が分かっていれば、エイズ発症を防げたはずなのに、とても残念なことです。
どうかあなたはエイズ発症前にHIV検査を受けて下さい。

もし、あなたがここまでの記事を読んでもまだ、HIV検査を受ける気になれないなら、ぜひこの
記事も読んで下さい。

『HIV検査だけがあなたを救う』

あるいは、ここまで読んでHV検査を受けてみようと決心したあなたは、こちらも参考にして下さい。

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