HIV感染症による皮膚疾患は多種多様であり、当サイトでも何回も取り上げて記事にしてきました。

私自身がHIV感染疑惑のあった時期に、帯状疱疹と全身の発疹を経験していることもあって、特に力を入れて情報を集めています。

『HIV感染に伴う皮膚疾患とは?』

今回、以前から愛読している本を参考に、再度HIV感染に関連する皮疹をまとめてみました。

従来の記事と重複しますが、また別の角度からHIV感染の早期発見のきっかけになればと思います。

私が愛読している本はこちらです。

『HIV/AIDS患者のトラブルシューティングとプライマリケア』

岩田健太郎 編 南山堂 ¥4,000+税

 

◇HIV感染に関連する皮疹の概要

この本には非常に細かく分離されて説明が載っているのですが、何せ難しい病名が多くて都度調べないと全く意味が分かりませんでした。

ここではなるべく分かりやすく私の注釈付きで説明したいと思います。

まず、HIV関連の皮疹として病変の種類から7分類されています。

1.薬疹

2.丘疹または紅斑性の皮疹

3.疣贅(ゆうぜい)状の丘疹性病変

4.水泡や膿疱(のうほう)性の皮疹

5.腫瘤(しゅりゅう)性の皮疹

6.毛嚢炎(もうのうえん)様の皮疹

7.丘疹鱗屑(りんせつ)性皮膚病変

とまぁ、こんな分類なのですが、これを読んだだけではどんな症状なのかサッパリ分かりませんね。イメージも出来ません。

皮膚疾患の名前ってどうしてこんなに難しいのでしょうか。

では1つずつ簡単に説明していきましょう。

1.薬疹

薬疹というのは文字通り、薬が原因で発症する発疹のことです。薬を飲んだり注射したりして出てくる発疹ですね。

HIV感染症との関連で言えば、抗HIV治療(ART)によって出てくる薬疹と、HIV感染以外の疾患に対する投薬によって発生する薬疹があります。

例えば、ニューモシスチス肺炎の治療で使用するST合剤による薬疹は一般には出現率が10%なのに、HIV感染者では44%~65%と非常に高くなるそうです。

 

2.丘疹または紅斑性の皮疹

まず、言葉の説明からしましょう。

●丘疹
丘疹(きゅうしん)とは直径1cm以下の皮膚の隆起。発疹の分類の一つ。(Wikipedia)

●紅斑
紅斑(こうはん)とは毛細血管拡張などが原因で皮膚表面に発赤を伴った状態をいう。(Wikipedia)

これでもまだ分かりにくいですね。およそのイメージだけ浮かべて下さい。

では、HIV感染と関連のある丘疹または紅斑性の皮疹にはどんなものがあるか、以下の通りです。

●急性レトロウイルス症候群(急性HIV感染症)
HIV感染後2週~6週で出現します。全身性で出現率は50%です。

詳しくは「HIV急性皮疹とはどんな症状?」をご覧下さい。

 

●梅毒(第二期)
梅毒とHIVは重複感染が多く、どちらかに感染していれば必ずもう片方も検査が必要です。

梅毒の第二期にはバラ疹と呼ばれる特徴的な紅斑性の皮疹が出ます。

 

●カンジダ症
HIV感染による免疫力低下によってカンジダを発症します。

カンジダ症の皮膚病変としては太ももや性器、指の間などに紅斑が出ます。

 

●ヒストプラズマ症
Histoplasma capsulatumという真菌が感染して発症します。

HIV感染でCD4値が150/μLまで下がると発症しやすくなるそうです。丘疹、紅斑、潰瘍、水泡など多様な皮膚疾患が出ます。

 

●抗酸菌性皮膚病変
抗酸菌とは、「グラム陽性桿菌である結核菌を含むマイコバクテリウム属に属する細菌群の総称。」(Wikipedia)HIV感染による免疫力低下により発症します。

紅斑を始めとする多様な皮膚疾患が出ます。「HIV感染による(皮膚)非結核性抗酸菌症」をご覧下さい。

3.疣贅(ゆうぜい)状の丘疹性病変

疣贅(ゆうぜい)って、無茶難しい漢字ですね。まず読めないです。疣贅はイボのことです。

イボのような丘疹が出来る病変ですね。

●尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものです。(HPV-16型,HPV-18型)イボ状の病変が性器や肛門周辺に出来ます。

HIV感染者の場合は病変が広がりやすく、かつ治療しても再発しやすいそうです。

 

●伝染性軟属腫
ポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウイルス(molluscum contagiosum virus)という人に水いぼを作るウイルスが皮膚に感染して発症します。

通常は数mmから5mmくらいの隆起性病変ですが、HIV感染者の場合は1cm以上になるそうです。

 

●クリプトコッカス症
詳しくは当サイトの「クリプトコッカス症」を参照して下さい。2mm~5mmの皮疹が出ます。

 

●ペニシリウム感染症
CD4値が100/μL未満まで低下すると発症しやすくなる日和見感染症です。病原菌はアオカビの仲間です。

全身に伝染性軟属腫のような皮膚病変が出ます。

 

4.水泡や膿疱(のうほう)性の皮疹

水泡は分かりますね。いわゆる水ぶくれです。膿疱(のうほう)は、水疱の内容物が膿(壊死した白血球を主とする)の集合体で粘性がかなり強いものを言います。(Wikipedia)

●HSV感染
単純ヘルペスウイルス(HSV)による日和見感染症です。口唇部や外陰、肛門周辺に痛みを伴う水泡や潰瘍性の病変が出ます。

詳しくは「HIV感染と単純ヘルペス」をご覧ください。

 

●帯状疱疹
帯状疱疹は私もひどい目にあいました。「HIV感染と帯状疱疹」「私の帯状疱疹体験記 」をご覧下さい。

痛みを伴う水泡が出来ます。

 

●サイトメガロウイルス(CMV)感染症
詳しくは「サイトメガロウイルス感染症とは? 」をご覧下さい。肛門周辺部や外陰部に水泡や潰瘍性の病変が出来ます。

 

●ブドウ球菌性膿痂疹
膿痂疹(のうかしん)とは黄色ブドウ球菌、化膿レンサ球菌、あるいはこの両方によって引き起こされる皮膚感染症で、黄色いかさぶたを伴ったびらんができます。

黄色い液体の詰まった小水疱ができることもあります。(メルクマニュアル)びらんとはただれてくずれた状態を言います。

 

●疥癬
疥癬(かいせん)の詳しい情報は「疥癬(かいせん)とHIV感染症」をご覧下さい。

 

5.腫瘤(しゅりゅう)性の皮疹

腫瘤(しゅりゅう)って日頃見かけない単語ですね。これは一言でいえば「かたまり」のことです。

それも原因がはっきり特定出来ないかたまりに使われる単語です。

ここで言う腫瘤性の皮疹とは、かたまりの出来る皮膚疾患という意味合いだと思います。

では、どんなものがあるのか見ていきましょう。

●カポジ肉腫
カポジ肉腫は当サイトでも過去記事で説明済みです。「HIV感染とカポジ肉腫」をご覧下さい。

CD4値では200/μL未満で発症することが多いそうです。

紅色からピンク色の斑が出来、それが融合して青紫から黒色になります。鼻先や口腔内粘膜、手足などに多く発症します。

 

●細菌性血管腫症
バルトネラ菌による日和見感染症です。4mm~2cmくらいの大きさの赤茶色の盛り上がりが出来ます。

カポジ肉腫の病変に似ており、かゆみを伴います。

 

6.毛嚢炎(もうのうえん)様の皮疹

毛嚢(もうのう)とは毛の付け根を包む組織を言います。そこに細菌が感染して炎症を起こしたものが毛嚢炎です。

●ブドウ球菌性毛嚢炎
顔や体の毛髪部に常在菌であるブドウ球菌が感染して毛嚢炎を起こすものです。

髭剃り後のカミソリまけみたいに赤くなります。

 

●好酸球性毛嚢炎
まず、好酸球とは白血球の一種である顆粒球の1つです。

この好酸球が毛嚢に集まり浸潤(おかしながら広まること)することで炎症を起こし発症します。

近年になってHIV感染との関連が指摘されるようになったそうです。CD4値250/μL未満で発症しやすくなります。

 

7.丘疹鱗屑(りんせつ)性皮膚病変

鱗屑(りんせつ)とは、鱗(うろこ)のような屑(くず)のことです。白くて薄いかさぶたのようなものが皮膚からはがれ落ちます。

●脂漏性湿疹
皮脂腺の密度が高い顔面、頭皮、体幹上部に黄色の鱗屑を伴った丘疹が出ます。HIV感染者においては83%に見られるそうです。

詳しくは「HIV感染と脂漏性皮膚炎」をご覧ください。

 

●尋常性乾癬
赤い発疹とその上に白色の鱗屑を伴います。詳しくは「HIV感染症と乾癬」をご覧下さい。

尋常性乾癬は非HIV感染者の出現率が1%に対して、HIV感染者は2%~5%だそうです。

 

●表在性真菌感染(白癬)
真菌の一種である白癬菌による感染で発症します。環状の紅斑(こうはん)が現れ小さい水泡や丘疹が出来ます。

 

以上が『HIV/AIDS患者のトラブルシューティングとプライマリケア』に出てくるHIV関連の皮疹です。

その病変の種類別に7分類されて解説されていました。

たぶん、ここまでお読みになったあなたは目が疲れたことと思います。記事を書いてた私も疲れました。

皮膚疾患の記事を書いたり読んだりすると非常に目が疲れます。

要は、HIVに感染すると多種多様な皮膚疾患を発症するということです。

そしてあなたが皮膚科で診察を受けても必ずしもHIV感染まで医師が考慮してくれるとは限りません。

あなたご自身にHIV感染の不安、心当たりがあれば早期のHIV検査をお奨め致します。

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