HIV・エイズの症状>CD4値からみた日和見感染症
HIVに感染して免疫不全になると日和見感染症を発症します。では、CD4の値からみたときに、どの段階でどんな日和見感染症を発症するのでしょうか。
あなたがもしもHIVに感染すると、あなたの体内ではHIVが増殖すると同時に免疫力が低下していきます。その免疫力を測る指標がCD4値です。
◇CD4値による日和見感染症
CD4値とはCD4陽性Tリンパ球の数を言います。これが1μL中にいくつあるかを示すものです。(1μLは、1リットルの百万分の1です)
あなたが普通に健康な状態であればCD4は700~1300くらいあります。しかしHIVに感染するとHIVがTリンパ球を破壊してCD4値が小さくなっていきます。
Tリンパ球は免疫機能の中枢細胞であり、これが少なくなると免疫力もどんどん低下していきます。そしてあなたが健康な状態なら何でもないような病原菌やウイルスによって日和見感染症を発症してしまうのです。
「これでわかるHIV/AIDS診療の基本」(南江堂)によると、CD4値によって日和見感染症は次のように区分けされています。
CD4値(/μL) | 日和見感染症 |
CD4値によらず | 結核症 カポジ肉腫 非ホジキンリンパ腫 細菌性肺炎 口腔カンジダ 帯状疱疹 |
200以下 | ニューモシスチス肺炎 トキソプラズマ脳症 サルモネラ菌血症 クリプトスポリジウム症 反復性肺炎 進行性多巣性白質脳症 HIV脳症 |
100以下 | サイトメガロウイルス感染症 クリプトコッカス髄膜炎 トキソプラズマ脳症 カンジダ食道炎 |
50以下 | 非結核性抗酸菌症(MACなど) 原発性脳リンパ腫 アスペルギルス症 |
表1.CD4値による日和見感染症(赤字はエイズ指標疾患)
表1のようにCD4の低下と共に現れる日和見感染症も変わってきます。かつてHIV感染症が致死的疾患であった頃、ここにあげた日和見感染症を回復させる治療法はありませんでした。
エイズで死亡する、というのはエイズという特別の症状で死ぬのではなく、こうした免疫不全による日和見感染症で死ぬのです。
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◇エイズ闘病記から
「いきなりエイズ」を発症された方の中にはご自分の闘病記をブログで公開されている人がいます。先ほどの日和見感染症についても症状を書かれています。
多くの方は初めはHIV感染を疑っていません。体調が悪いと感じても風邪やただの下痢、頭痛くらいにしか思っていません。でも、CD4低下に伴う日和見感染症は急性HIV感染症みたいに放置して症状が消えることはありません。
症状はどんどん悪化していきます。病院で風邪薬をもらったり、薬局で薬を買って飲んでも治りません。やがて重症化してどうにもならず病院で精密検査を受け、そこで初めてHIVに感染していることが分かります。
中にはHIV感染が判明したときにはCD4が一桁だった人もいます。命が危なかったと振り返る人もいます。
あなたもご存じのようにHIV感染症は感染初期を過ぎると無症候であり、エイズ発症までは自覚症状がありません。そこがこの感染症の怖いところです。
あなたに何も自覚症状がなくても、HIV感染の不安や心当たりがあるなら、どうぞ保健所で検査を受けて下さい。全国どこでも無料・匿名で検査を受けることができます。即日検査なら1時間もあれば結果が分かります。
多少の時間と手間は取られますが、万一あなたがHIVに感染していた場合のことを考えると、その時間や手間がどれほどのことでしょうか。早期のHIV検査は救命的検査です。
HIV・エイズの症状>CD4値からみた日和見感染症
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