サイトメガロウイルス感染症はエイズ指標疾患の1つです。今回はこの病気について説明したいと思います。

今も書いた通り、サイトメガロウイルス感染症は23種類あるエイズ指標疾患の1つです。HIV感染者がこの病気を発症するとエイズ患者と認定されます。では、サイトメガロウイルス感染症とはどんな病気でしょうか?

◇エイズ指標疾患の中では3番目に発病が多い

厚生労働省エイズ動向委員会では毎年、エイズ患者として報告された場合にどんな病気を発症していたか、病気ごとの件数を発表しています。

では、2013年(平成25年)のデータを見てみましょう。

『2013年(平成25年)エイズ発生動向年報』

このデータから上位5疾患を紹介するとこうなります。

●第1位 ニューモシスティス肺炎 282件

●第2位 カンジダ 153件

●第3位 サイトメガロウイルス感染症 76件

●第4位 HIV消耗性症候群 39件

●第5位 活動性結核 18件

以上のようになっています。サイトメガロウイルス感染症は76件で3番目に発症数の多い指標疾患となっています。

2013年に報告されたエイズ患者の総数は484件でした。従って、エイズ患者として報告された15.7%がサイトメガロウイルス感染症を発症していたことになります。

サイトメガロウイルス感染症という病名はあまり聞きなれないと思いますが、エイズ指標疾患としてはこのように事例の多い病気と言えます。

◇サイトメガロウイルスの感染は珍しくない

サイトメガロウイルス感染症はその名の通り、サイトメガロウイルスの感染によって発症します。実はこのウイルス感染そのものは珍しいものではありません。乳幼児期に多くの人が感染します。

妊娠可能年齢の女性について調べた結果では感染率は90%台にも及び、近年はそれが70%台に下がっているそうです。それにしても非常に高い感染率です。(国立感染症研究所感染症情報センターによる)

主な感染ルートは母親からの母乳感染、尿や唾液などによる感染、あるいは出産時の産道感染、輸血による血液感染、更には性行為感染もあります。

しかし、感染しても発症することはめったにありません。従って、感染することと、発症することは全く切り離して考える必要があります。

乳幼児期にサイトメガロウイルスに感染した多くの人たちは、そのまま発症せず一生を終えます。ところがHIV感染者、先天性免疫不全患者、臓器移植患者など、免疫力が低下した場合に体内に感染して潜んでいたウイルスが活性化して発症に至ります。

◇症状は多臓器に渡る

サイトメガロウイルス感染症が発症すると、次のような症状が出ます。

●網膜炎

●消化管病変(びらんや潰瘍)

●脳炎

●末梢神経障害

●肺炎

●副腎不全

このように単一臓器ではなく、多臓器に発症部位が及びます。HIV感染による発症例としては、CD4数が50/μL以下になった場合にこのような症状が出ることが多いそうです。(100以下とするデータもあり)

網膜炎を発症すると視力が低下したり視野の一部が欠けたりします。網膜炎については眼科で眼底検査を行うことによってはっきり分かりますが、明確な自覚症状を伴わない場合もあります。従ってCD4数が100以下になった場合、症状がなくてもスクリーニング検査を行うことが望ましいそうです。

食道に潰瘍ができた場合はものを飲み込むと痛みを感じたり、胸に痛みを感じます。腸炎の場合は腹痛や下痢、血便などの症状が出ます。

また、サイトメガロウイルス脳炎は比較的進行が早く、難治性のことが多いため出来るだけ早期に治療を開始することが大事だそうです。

以上、今回はエイズ指標疾患の1つであるサイトメガロウイルス感染症について説明しました。

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