コクシジオイデス症はエイズ指標疾患の1つです。

しかし、この病名はあまり聞いたことがありません。いや、全く聞いたことがありません。

たぶん、あなたも聞いたことないでしょうね。

大変症例の少ない感染症です。

でも、HIV感染による日和見感染症の一種であり、重症化した場合にはペストに相当するほど怖い病気で致死率の高い病気でもあります。

 

◇コクシジオイデス症の症例は?

まず、コクシジオイデス症の症例がどのくらいあるのか調べてみました。

エイズ指標疾患としては、1985年の集計が始まってから2015年まで、わずかに症例は1件のみです。

2009年に日本人感染者がエイズ指標疾患として報告されています。この1例のみです。

*エイズ動向委員会報告より

では、エイズ指標疾患以外の症例はどうでしょうか。

コクシジオイデス症は感染症法では第四類の全数報告に指定されており、全国どこで感染者が見つかっても7日以内に保健所に報告する法的義務があります。

そこで国立感染症のホームページからコクシジオイデス症の感染者数を確認してみると・・・

●2016年 3件

●2015年 3件

となっていました。

*国立感染症研究所

このように年間でもわずか3例という珍しい感染症です。

では、もう少し詳しくコクシジオイデス症について説明しましょう。

 

◇コクシジオイデス症とは

コクシジオイデス症はコクシジオイデス属による感染症であり、

●Coccidioides immitis

●Coccidioides posadasii

という2種類の真菌が原因菌として確認されています。

真菌、つまりカビの仲間なんですね。

しかし、国立感染症のホームページによれば、

「取り扱い上、最も危険な真菌」

なんだそうです。

ペスト菌に相当する病原性を有するとも書かれています。

コクシジオイデス菌を入れたシャーレのふたを不用意に開けただけで空気中に菌が舞い上がり、空気感染が起きるのだそうです。

だから患者と直接接触する医師、看護師よりも菌を調べる検査技師の方が二次感染する危険性が高いのです。

アメリカでは過去に200人近い研究者、臨床検査技師が感染し、死亡例も少なくないそうです。

なるほど、日本では症例が少ないにも関わらず全数報告が義務付けられている理由が分かりました。

よほど慎重に取り扱わないと感染はどんどん広まってしまう危険性があるのですね。

ただ、このコクシジオイデス症はアメリカ西南部(カリフォルニア、アリゾナ、テキサス、ネバダ、ユタなど)、メキシコ西部、アルゼンチンのパンパ地域、ベネズエラのファルコン州の風土病です。

非常に感染場所が限られているのです。

先ほど国内の感染例を2016年と2015年でご紹介しました。それぞれわずか3件ずつでした。

これをもっと過去にさかのぼると、日本では70件ほどが報告されているそうです。

*コクシジオイデス症

そのほとんどの感染者は先ほどあげた土地への渡航者であり、日本国内での感染例や、コクシジオイデス菌の生息は確認されていないそうです。

何しろ、

「取り扱い上、最も危険な真菌」

ですから、日本国内でこんな菌が生息し始めたら大変なことになります。

 

◇コクシジオイデス症の症状とは?

では、いったいコクシジオイデス症を発症するとどんな症状が出るのでしょうか。

まず、一般的なコクシジオイデス症の症状を説明し、その後にエイズ指標疾患としてのコクシジオイデス症について説明します。

コクシジオイデス症の症状には4種類あって、4番目が最も重症であり致死率は50%にも達します。

1.原発性肺コクシジオイデス症

ほとんどの場合無症候か、約40%には軽い風邪に似た症状が出ます。

放置しておいても短期間のうちに自然治癒します。

 

2.原発性皮膚コクシジオイデス症

ごくまれに皮膚に病巣が出来ることがあります。

これは刺し傷や外傷によって感染し発症した場合です。

潰瘍ができ、花キャベツ状の腫瘤(しゅりゅう:かたまり、はれ物)となります。

 

3.良性残留性コクシジオイデス症

症状が出た原発性コクシジオイデス症の2%~8%の患者の肺に結核と似た空洞が出来るそうです。

炎症はなく自覚症状もほとんどなく、ただX線検査で見つかるだけです。病巣も進行することはありません。

 

4.播種性コクシジオイデス症

問題はこの4番目の播種性コクシジオイデス症です。

「播種性(はしゅせい)」とは全身に広まることで、肺の病巣が進行し血液によって全身に広まります。

皮膚、皮下組織、骨、関節、肝臓、腎臓、リンパ組織が侵されます。

原発性肺コクシジオイデス症患者のわずか0.5%に発症しますが、いったん発症すると予後は極めて悪く、半数が死に至ります。

コクシジオイデス症は以上のような4種類の症状の出方があります。

そして、エイズ指標疾患としては、以下の2点が診断条件となっています。

1.全身に播種したもの

2.肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの

 

◇コクシジオイデス症の治療

コクシジオイデス症の治療にはポリエン系抗真菌薬のアムフォテリシンB が一番確実に効くそうです。この薬は真菌に対して殺菌的に作用します。

ただ、肝臓や腎臓に対する副作用も強く、使用には十分な注意が必要とされているそうです。

アムフォテリシンBの他にもイミダゾール系の抗真菌剤(ケトコナゾール、ミコナゾール、イトラコナゾールなど)、および5‐フルオロシトシン(5‐FC)なども使われています。

先ほども説明した通り、播種性コクシジオイデス症については難治性であり予後は決して良くありません。

HIV感染による日和見感染症としてのコクシジオイデス症はまさにこの播種性となります。

以上、今回はエイズ指標疾患の1つであるコクシジオイデス症について説明しました。

もっと詳しく知りたいあなたは下のリンクからどうぞ。

*コクシジオイデス症(国立感染症研究所)

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