浸潤性子宮頸がんはHIVによる免疫不全症を示唆する所見があった場合にエイズ指標疾患となります。

ヒトパピローマウイルスによる日和見感染症が要因で発症する病気です。今回は浸潤性子宮頸がんについて説明したいと思います。

◇浸潤性子宮頸がんとは?

まず、子宮頸がんの発生場所をご確認下さい。(図1)

子宮頸がんの場所
図1.子宮頸がんの発生場所

膣から子宮へ入る入口部分が子宮頚部であり、子宮頸がんはこの部分に発生します。浸潤性(しんじゅんせい)と言われる子宮頸がんは、がん組織が子宮頸部の表面から頸部の深部組織へ進行したもの、あるいは体の他の部分に転移して拡がったがんを言います。

なおかつ、HIV感染による免疫不全と思われる症状があった場合に、浸潤性子宮頸がんはエイズ指標疾患となる訳です。

子宮頸がんそのものはHIV感染者に限らず発症します。厚生労働省の調べでは、2011年に子宮頸がんを発症した女性は32,403人でした。

また子宮頸がんで亡くなった人は2011年には2,737人、2014年には2,902人でした。

子宮頸がんが他のがんと異なるのは発症年齢が若いことです。20代から40代までの女性で患者全体の73.6%を占めています。最も感染者が多い世代は35歳~39歳なのです。そして子宮頸がん患者は年々増加傾向にあります。(図2)

子宮頸がんの推移
図2.子宮頸がんの推移

このグラフで言えば患者は5年間に2倍も増えています。

発症年齢が若いと言う点の他にもう1つ、このがんが他のがんと異なる点があります。それはヒトパピローマウイルスと言う、ウイルスが感染することによって発症する点です。主な感染ルートは性行為感染です。

ただし、ウイルスに感染した女性全てが子宮頸がんになる訳ではありません。多くの場合は免疫力が働いてがんになることはありません。

しかし、中には免疫力の攻撃から逃れて長期間細胞感染したまま、やがてがん細胞へ変っていくものがあります。それが子宮頸がんです。

HIVに感染すると免疫力が低下するため、日和見感染症として子宮頸がんを発症するのです。

ただ、実際にエイズ指標疾患として報告された浸潤性子宮頸がんの件数は少なく、2014年にはゼロ、過去からの累計でもわずか3件となっています。⇒『エイズ指標疾患分布(2014年)』

 

◇子宮頸がんの予防と検査

今も説明したように子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルスの感染です。そしてこのウイルスに対してはワクチンがあります。ワクチン接種による予防が可能なのです。

子宮頸がんワクチンは中学1年生の年齢から計3回に渡って接種します。詳しくは厚生労働省のホームページをご覧下さい。

『子宮頸がん予防ワクチンQ&A』

また、子宮頸がん検診は他のがん検診と合せて各自治体が無料、または一部自己負担で受けられるサービスを行っています。あなたの最寄の保健所にお問い合わせ下さい。

あるいは、あなたの自宅で検査キットを使うことも可能です。子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスが感染していないかを調べる検査と、子宮頚部の細胞にがん細胞が発生していないかを調べる2種類の検査があります。

その両方をまとめて検査出来る検査キットをご紹介しましょう。保健所、病院へ行く時間のないあなたはぜひご利用下さい。



■子宮頸がん+HPV検査セット

¥9,050(税込)

今回はエイズ指標疾患の1つ、浸潤性子宮頸がんについて説明しました。

子宮頸がんはHIVに感染しなくても発症します。途中でも説明したようにエイズ指標疾患としての子宮頸がんは非常に件数としては少ないです。

しかし図1でもご紹介したように比較的若い年代の女性に発症者が多く、患者は近年増加傾向にあります。どうぞあなたも子宮頸がんの予防ワクチン接種、がん検診を定期的に受けることをお勧め致します。